TOMOS リモートワークに徹する
1R(25.23㎡)
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、娘さんの誕生に合わせてTOMOSからTOMOSへとお引越しをされた、ティールさんの新居へ。好きな青色の服でおそろいコーディネート、仲良し家族の暮らしを拝見しました。
text & photo : Ken OHYAMA
今回の取材はいつにも増しておもしろかった。以前ご登場していただいたティールさんご夫婦のお宅にふたたびおじゃましたのだが、その変化ぶりがとても興味深かった。部屋と家族はこうやって変わっていくものなのか。大げさに言うならばちょっと感動すらした。
お会いしてから2年弱の間に、おふたりは引越をしている。マンションから戸建てへ(ここで重要なのは今回もgoodroomの部屋だということ!) ぼくは前回の記事最後に「次の部屋もぜひ見たいなー」と書いた。楽しかったカラフルですてきな部屋は、どうなるのか。見てみたい。それが叶ったわけだ。
思えばこの連載で一戸建てにおじゃまするのははじめて。1階と2階に部屋がある。あたりまえだけどちょっと新鮮。1階にリビングとキッチン、バスルーム。寝室と、自宅で仕事をしているだんなさんの部屋は2階に。
印象的だったのは、2階がすごく明るいこと。窓が多くて大きい。3方向に窓があるというのは戸建てならでは。冒頭の平面図写真が2階のものなのだが、これをご覧頂くと分かるように、おそらく縁側として作られたと思われる部分のおかげで窓が広い。
そういえば前回、次の家は「いい感じに古びてて、すごく気に入って、楽しみなんです!」とおっしゃっていた。リノベされている室内の写真だといまいちその古び具合は伝わらないが、この元縁側で今は部屋でもあり廊下でもある、という箇所に実に雰囲気がある。こういうの好き。「いいですよねー」とおふたりも自慢。いわゆる「古民家」というほど古くもないし由緒正しい感じではないけれど、昭和の普通の家、って感じでいい。かわいい。
だが最も大きな変化は引越ではない。娘さんが誕生していたのだ!
ぼくはふだん建造物の写真しか撮らない。ちゃんとした人物撮影の方法は知らない。そもそも、人を撮るのにあんまり興味がない。正直に言うと、子供(とかペット)の写真を撮りたがる人のことを、ちょっと冷笑的に見てた。でもねえ、今回の撮影データを見返したら、娘さんの写真ばかりなのよ。かわいい。これは撮るわー。というか肝心の部屋の写真があんまりなくて困った。かわいい子供は困る。
で、意外だったのは、あれだけカラフルだった室内が、ぐんと大人しくなっていたこと。平面図写真を前回と今回で見比べるとこのことがわかると思う。
特徴的だったおくさまの「なぜかロココ調家具」も姿を消していた。「あー、あれ、いちおう運んでもらったんだけど、結局処分しちゃいました」とのこと。また「青い物が好きでつい集めちゃう」と言っていただんなさんの青いフィギュア・グッズ類ももう飾られていない。「それはしまってあります。子供がいるとどうしてもああいうもの置いとけないですよねー」。
子供ができて部屋が変わった、と言ってしまえばそれはよくあることなのだろう。ただ、ぼくが前回お聞きした話で印象的だったおくさまの「ふたりで暮らすまでは、すごく甘々な部屋に住んでた」という一言を思い出すと、話はもうちょっと複雑なのかな、と思うのだ。
甘くデコラティブな独身の部屋が、二人で暮らすようになって、微妙に変化。それは折衷でも合成でもなく、ハイブリッドって感じだった。でも結果として統一感があってすごくすてき。これはおふたりの、ちょっと会っただけでも伝わってくる何とも言えない良い感じの関係が生み出すミラクルで、だから部屋づくりの参考にはならない、と前回書いた。
引っ越して子供が生まれて、ロココ調家具は処分され、青いグッズは収納された。でも引き続き以前の雰囲気は残っているし、カラフルな色調は娘さんのおもちゃに集約されたように見える。飾られていたかわいいパペットやぬいぐるみも、ディスプレイから彼女のおもちゃへジョブチェンジして存在している。
うまく表現できないのだが、つまり「子供が生まれたからいろいろ変わる」というほど単純ではなくて、いろいろ変わっていく流れの中に子供の誕生があり、住まいの変化があり、というものなんじゃないかと感じたのだ。まあ、ぼくには子供がいないので分からないけど。
思えば先ほどの「ふたりの関係が生み出すミラクル」ってまさに子供のことだ。人から感じる「個性」の複雑さに比べれば、遺伝子は最小限の情報しか残さない。でも、消えてしまったように見えるおくさんの「甘々」も、もしかしたら成長した娘さんの元に再び発現するかもしれない。その時はまた写真を撮りたいな、と思った。
大山 顕
写真と文:大山 顕
フォトグラファー/ライター。1972年11月3日生まれ。工場や団地などの構造物を中心に撮影と執筆を行っている。出版、ラジオ出演、イベント主催などで活躍。『工場萌え』『ジャンクション』『団地の見究』『ショッピングモールから考える』など著書多数。 twitter:@sohsai/instagram:@ken_ohyama
(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、都内を中心に、毎月10~20部屋登場します。TOMOSからTOMOSへとお引越しをされる方も多くいる、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。
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