TOMOS リモートワークに徹する
1R(25.23㎡)
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、お部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。今回は、設計のお仕事をされている、女性おひとり暮らしのお部屋を訪問。開放的なワンルームを活かして、まるでリゾートみたいにゆったり寛いでいる姿が印象的!
text & photo : Ken OHYAMA
今回の取材は、まるですてきな女主人のいるリゾートに遊びに来たかのようだった。かっこいいワンピース姿で迎えてくれた “女主人” は和田佳奈美さん。とてもフレンドリーで明るく、知的さを感じる美人。お友達になりたい。ここが兵庫でなければ遊びに来るのになー。そう、前回に引き続き首都圏を離れ、楽しいお部屋訪問をしているのです。
この部屋に引っ越してきたのは、昨年2015年の10月。それまで5年間会社の寮にいたそうだ。「せまくて、陽当たりが悪くて、ほとんど部屋にいなかったですね」とのこと。「引っ越して、部屋がいるのが好きになって。あ、でもやっぱり外で遊んでばかりかな―」と笑う佳奈美さん。お仕事は設計で、目下一級建築士を目指しているときいて、たいへんですよね―、と言ったら「試験が夏から秋にかけてじゃないですか、でも夏は遊んじゃいますよね―」って。ナイスキャラだ。きっとゆかいな友達がたくさんいるんだろうな、と思った。
実際、部屋探しの時の条件は「JR沿線(東海道線)」だったそうなのだが、その理由は「友達が沿線に多いので」。友人にすぐ会えるかどうかで部屋を決めるって、すごくいい。「友達を部屋に呼べるようになったのもうれしい。この前は10人泊まっていきました」にはびっくりした。確かに広いけどここに10人って無理だろう! 「みんなぎゅうぎゅうで床に寝てました。あはは」
TOMOSの売りはなんといっても無垢の木の床で、それを気に入って入居する方が多いのだが佳奈美さんは「その点は最初の条件として考えてなかったです。あとから見てみて『木の床いいな!』って気づきました」とのこと。「それより思い描いてたのは『ハダカで歩き回れる部屋』ってこと。大きなワンルームで、開放的で、できればお風呂もガラス張りとかがよかった」。
もともと2DKのものをひとつにしていて、希望通り開放的。窓の面積が比較的大きく明るい。「おかげで朝起きられるようになりました」とのこと。「あと、風も良く通ってすごく気に入ってます」
聞けば、リノベ工事の際には「お風呂の壁取っ払えませんか」と交渉したそうだ。「さすがに『それはちょっと……』って言われちゃいました!」。一級建築士になったらぜひそういう部屋を設計してもらいたい。で、友達呼んでみんなで入浴してほしい!
インテリアに関しては、とても中性的なのがおもしろい。ぱっと見、女性の部屋だか男性の部屋だか分からない。今まで見てきた部屋に比べると、白い家具があまりないからそう感じるのだろうか。「革とか木とか鉄とか、エイジングする素材が好きなんです」とのこと。特に革のソファが部屋の雰囲気を決定づけている。
このソファは、かなりのお気に入りのようで「部屋が広くなって、家具探すのが楽しくて、特にこのソファ! もう一目惚れでした!」とのこと。「もうほんとうに気に入ってて、彼氏より好き!」とまで言ってて、それはどうなんだ、と思ったけど。
一方、ベッドに関しては「これ!」といったものがまだ見つかっていないという。「気に入ったものがあったらすぐ変えられるように、パレットに乗せてます」というのがまたすてき。いいよねー、パレット。倉庫好きのぼくなどはぐっとくる。「そうしたら通気性良くて、もうこれでいいかなー、って」。
さて恒例の「集めてるものを並べてもらう」。今回は友達と作ったTシャツの数々を出してもらった。同僚の皆さんなどと一緒に、なにかイベントがある度に作るのだそうだ。たのしそう! トンチの効いたデザインを楽しみつつ、ぼくはあることにはっとした。これまでいろいろな方々に、こうやってあるものを並べてもらったが、自分ひとりではなくみんなで作ったものを出してきた人は彼女がはじめてだ。
このTシャツと、さきほどの部屋探しの時の条件「友達が沿線にいるから」を思い出して、佳奈美さんにとって友達はほんとうにとても大切なものなんだな、と感動した。この部屋に引っ越ししたのもいわば「友達のため」なのかもしれない。壁を取っ払って広いワンルームにリノベされた開放的な部屋も、友達を呼ぶ場所にしたいという考えがあったのではないか。ガラス張りのお風呂はよく分からないけど。
ソファもそうだ。椅子はひとりのためのものだが、ソファは誰かと並んで座るためのもの。ひとり暮らしだけど自分のためだけの空間ではない。それが佳奈美さんの部屋なのだろう。部屋に入った時に感じた「女主人のいるリゾートに遊びに来たかのよう」は当たっていたのだ。
そういう彼女が設計する建築を見てみたい。がんばって試験合格してください。夏遊びはほどほどにしてな!
大山 顕
写真と文:大山 顕
フォトグラファー/ライター。1972年11月3日生まれ。工場や団地などの構造物を中心に撮影と執筆を行っている。出版、ラジオ出演、イベント主催などで活躍。『工場萌え』『ジャンクション』『団地の見究』『ショッピングモールから考える』など著書多数。 twitter:@sohsai/instagram:@ken_ohyama
(最後にもう一度編集部から)
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