「お揃い」が似合うカップルの、こだわりインテリアの部屋
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。 今回は、初めてのふたり暮らしを始められた仲良しカップルの部屋を訪問。好きな作家さんの作品がこだわって買った家具が並ぶ、楽しく素敵なインテリアが魅力的でした。 (編集部)…
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、20代の仲良しご夫婦、ティールさんのお部屋をご訪問。とってもカラフルで元気の出るインテリアですが、色のテイストがまとまっていて居心地は抜群。ついつい大山さんと二人で長居してしまいました。
(編集部)
フレンドリー! すごくフレンドリー。これまで訪ねた部屋のみなさんももちろん親切で温かく迎えてくれたんですが、今回取材させてもらったティールさんご夫妻はずばぬけてフレンドリーでした。お話ししてて楽しくて、つい取材と関係ない話題でおしゃべりして長居をしちゃいました。
もちろん部屋もご覧の通りすてき。で、またおふたりが美男美女なんですよ。なんかもうまぶしくて直視できないぐらい。フレンドリーで魅力的で、部屋もいい感じでしかも美男美女って、ひとつぐらいぼくに分けてくれても良かったんじゃないでしょうか。神様よう。どうなってんだよう。
そんなすてきなおふたりと部屋におじゃまして、今回ぼくが気がついたのは「カップルの部屋って、ふたりの関係を表しているのだな!」ということだった。結論から言うと、この部屋がすてきなのはふたりの関係がすてきだからだ。
いままでおじゃました部屋とこのティールさんご夫婦のおうちで大きく違うのは、カラフルぐあいだ。へやのあちこちにビビッドな色のものがあって、とても楽しい。うきうきする部屋だった。
これまで見てきた部屋はシックでシンプルな雰囲気だった。木肌の色とオフホワイトが基調の端正な感じ。もちろんそういう部屋もいい。ところがこの部屋ときたらにぎやかだ。でも同時にすっきりしている。ふしぎ。ぼくは「にぎやか」なのと「モノが多い」ってことは違うんだな、と今回知ったよ。ぼくの部屋は、あれはにぎやかなんじゃなくてしっちゃかめっちゃかなんだな。
「自分はすぐモノ増やして散らかしちゃうタイプなんで、部屋のことは彼女が決めてます」と旦那さん(「旦那さん」という言葉がしっくりこない美男子っぷりなんですが、ほかに呼びようがないのでこれでいきます)。いかにも夫が言いそうなことだが、これは眉唾だ。信じてはいけない。
だって、普段自宅で仕事をしているという旦那さんの仕事部屋も見せてもらったが、これがまたモノがすくなくてすっきりきれいなんだもの。奥さま(「奥さま」という言葉がしっくりこない美女っぷり…~以下略)の監督だけでこうはならないですよ。ふつうさ、作業の部屋ってもっとぐちゃぐちゃになるものじゃないですか。ちがいますか、ぼくだけですか。
旦那さんの、この謙遜に聞こえる発言を聞いて、ぼくは前述のように「ふたりの関係で部屋ができているのだな」と思い当たったのだ。それはつまり一方的な「管理」とか「監督」というようなものではないということだ。「折り合う」という言い方をしたらよいだろうか。
旦那さんの「自分は散らかしちゃうタイプ」というのはほんとうかもしれないが、だとしても、それが奥さまによって管理されるのではなく、きっとふたりで楽しく暮らしているうちにそれが無理せず自然にすっきりすてきになっちゃう、ということなのではないか。
現に、奥さまはストイックな性格かと思いきや「ふたりで暮らすまでは、装飾が多くて甘甘な家具とか壁紙を好んで使ってて、こういう部屋の雰囲気では全然なかったんです」とおっしゃる。単純な「すっきり派」ではない奥さまの趣味の名残とも言うべきものが、リビングの一角にある不思議なスペースだ。ぼく、ここがすごく気に入った。
ロココ調の大きな椅子と机に鏡。ふつうこんなのがあったら違和感あるはずだが、不思議としっくりきている。このミラクルなしっくり具合こそ、ふたりの絶妙な折り合い方を表しているのだ。
とても仲が良さそうなおふたりだが、おそらく想像以上に個性がぶつかりあっているのではないかと思う。そして、この部屋はきっとそれぞれの個性の合成ではないし、折衷でもない。ふたりの組み合わせという中から生まれた第3の何かなのだろうと思った次第だ。ふたりの関係でできている、というのはそういう意味だ。
この、ただシンプルなだけではないカラフルで賑やかな雰囲気とか、突如表れるロココ調の椅子がなぜかしっくりきている感じなどは、ふたりのどちらかひとりがコントロールしてできたものではなく「なんかふたりで暮らしたらこうなっちゃった」という絶妙なバランスでできているものなのだ。たぶん。だからきっとこの空間は部屋づくりの参考にはならない。ふたりだけのものだ。
そしてきっとすべてはふたりが仲良しでハッピーだからだと思う。実は取材の翌月にはこの部屋を引き払って引っ越しするという。ここはマンションの一室だったが、こんどは戸建てだそうだ。重要ポイントとして、次も我らが TOMOS の物件だということは言っておこう。「いい感じに古びてて、すごく気に入って、楽しみなんです!」とのこと。どうやらちょっと変わった物件の様子。
「ここには2年とすこし住んだことになりますね」と聞いて、ぼくなんかはびっくりした。引っ越しってめんどくさいじゃないですかー。と言ったら「いやあ、引っ越し好きなんですよ」と。これをきいて、ぼくはふたたび「ああ、なるほど」と思った。つまり環境と空間を変えることで、ふたりは次の新しい「関係の表れ」としての部屋づくりに挑戦するのだな、と。
すてきなふたりの関係が唯一無二の魅力的な部屋をつくる。そして、部屋を作っていくことで、ふたりの関係もまた発見されていくのだろう。次の部屋もぜひ見たいなー。
大山 顕
写真と文:大山 顕
“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
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