無機質と有気質
1R(29.31㎡)
毎日手にとるものだから、こだわって選びたい器と台所道具。料理と食事を楽しくしてくれるような逸品の揃うお店をたずねます。
今回おじゃましたのは、国立駅から徒歩3分ほど、小さなビルの2階にある、「黄色い鳥器店」。どんなふうに使おうかな、とワクワクしてくるような、楽しみの詰まったお店でした。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai
階段をとんとんと上がって、ドアを開けると、大きな棚の上から下、壁や天井まで、さまざまなアイテムが並びます。
お話をお聞かせくださったのは、高橋千恵さん。
「たとえば人に贈り物をするときでも、いろんな人がいて、いろんな好みがあるけど、”ここに来れば何か見つかる”、と思ってもらえるようなお店にしたくて。みんなが楽しんでもらえるように、なるべくバリエーションを広げて、いろんなものを紹介したいと思っています」
「なるべく、うちならではの品揃えにしたいんです。そのほうが、お店をやっていても楽しいので」と高橋さん。ひとつひとつのアイテムについてお話を伺っていくと、作家さんとの出会いについてや、作られる工程のひとつひとつまで、たくさんのストーリーがありました。
ローラ・カーリンさんは、ブラティスラヴァの国際的な絵本原画展でグランプリを獲得するなど、ロンドンで活躍する若手のイラストレーターさん。黄色い鳥器店では、グランプリを獲る前から知り合いからつながった縁で個展を開いていたそうで、オブジェや器まで、ここにしかないアイテムが揃っています。
もともと、国立ですぐ近所にお店があったという匙屋さん。岡山に引っ越された今も、黄色い鳥に来れば、出会えます。「全部、自分で木から削って、一本ずつ作るんです。拭漆で仕上げてあって、口に入れたときの感じがすごくいいですよ」
益子の作家さん、寺門さんの器には、ロボットや動物など、縫い目風に描かれたユニークな絵柄がいっぱい。
木を貼り合わせ、漆をつかって模様を描き出す、凝った製法で作られた大きな木皿。食卓の主役になってくれそうな1枚です。
もともとは、スキー場近くの居酒屋さんを経営していた小沢さん。さくらやくり、くるみなどの無垢の木材を使って、カッティングボードを製作されています。表には独特の模様がつけられていて、パンやチーズなど食材をのせればとても絵になる食卓に。
器の上手な選び方をお聞きすると、「洋服と一緒と思うと、わかりやすいですよ」と教えてくれた高橋さん。たとえば、白いシャツに、アクセントで柄物をさしこむように、なんにでも使える白い器を選んだら、それに合わせて、柄のあるアイテムを組み合わせていくのがおすすめ。
「お椀やお箸のような、毎日使うものは、ちょっといいものを買ってみるのもいいですよ」
ひとつひとつ、手に取るたび、形がおもしろいもの、絵柄がユニークなものなど、初めて見るようなものばかりで、思わず目を奪われ、ワクワクとしてきました。今日は、どんなものに出会えるかなと、楽しみに通いたくなるお店です。
黄色い鳥器店
東京都国立市北1-12-2 2F
営業時間 12:00〜19:00
定休日 月曜日・火曜日
TEL 042-537-8502
http://kiiroi-tori.com/
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