ロフトでヒノキにセイ・ハロー。
1R(11.64㎡)
毎日手にとるものだから、こだわって選びたい器と台所道具。料理と食事を楽しくしてくれるような逸品の揃うお店をたずねます。
第1回目はオンラインショップでも大人気の日本の「手仕事」が揃うショップ cotogoto の、高円寺にある実店舗におじゃましました。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai
JR高円寺駅の南口から歩いてすぐ、商店が並ぶ通りの一角に、cotogoto の実店舗があります。以前から オンラインショップを拝見していたのですが、予想以上に広いスペースにちょっと驚きました。集められているのは、沖縄から北海道まで、全国から厳選された、日本の手仕事の品。
選定の基準は、「cotogoto らしいこと」。日本の人が、日本の素材を使い、日本の風土にあわせて作った器や道具は、それぞれにストーリーがあって、それがある生活を想像するとちょっとわくわくしてきちゃいます。
お話を聞かせてくださったのはスタッフの木下亜美さん。15名いらっしゃるスタッフの方には、器や道具を使って家事をしたり、生活の中でどう活かそうか考えるのが好きな方が多いそう。生活に密着して「本当に使いやすいもの」が選ばれているから、「こんなのほしかった!」というものが見つかります。
長崎県波佐見町を産地とする「HASAMI(ハサミ)」ブランドは、赤や青などカラフルで賑やかなカラーバリエーションがありますが、cotogoto オリジナルカラーは落ち着いた「生成(きなり)」と「鉄黒(てつくろ)」の2色。
和でも洋でも、どんなスタイルにも合わせやすく、なじむ色合いに、こういうところが「cotogoto らしさ」なのかな、なんて思いました。
お店で見つけた、気になるアイテムをご紹介します。
神奈川県小田原市の木工所、薗部産業で作られている木のお椀は、年間通して人気のアイテム。けやき、なら、さくら、くり、ぶな、くるみの6種類の馴染み深い日本の木で作られていて、手にしっとりなじむフォルムも素敵です。ひとつとして同じ木目のものはないので、お店で手にとってお気に入りを選びたい一品。
新潟県の燕三条は金属加工の一大産地で、日本の台所道具の多くが生産されています。昭和32年創業の下村工業をルーツにもつ、下村企販の自社ブランド「家事問屋」は、「かゆいところに手がとどくラインナップがいいんです」と木下さん。
例えば、下ごしらえのボールは調味料用のかなり小さいものまでサイズが揃い、バットやザルはスタッキングが可能、スパチュラはシリコンの部分を外して洗うことができるという具合。
中でも木下さんおすすめは、こちらのホットパン。IHでも使えるホットサンドメーカーで、二重構造になっていて耳がつぶれないのがポイント。外はカリッと、中はジューシーなホットサンドはやみつきの仕上がりになります。
岩手県盛岡市で100年以上の歴史のある南部鉄器の老舗工房、釜定。南部鉄器というと、鉄瓶のイメージがあったんですが、こんなスタイリッシュなシチューや煮込み料理など洋食にも似合う鍋があったんですね。聞けば、フィンランドでデザインの修行を積んだ宮伸穂氏が三代目当主を務めているということで、なるほど納得です。
組鍋は、小・中・大のサイズが入れ子式にすっぽりおさまるデザイン。熱伝導に優れ、そのままテーブルに運んで使っても絵になる鉄鍋、見た目の美しさについ揃えたくなってしまいます。
永らく日本の家庭で愛されてきたアルミ合金鋳物の無水鍋。1953年の誕生以来、このお鍋を作り続けているのが、広島の生活春秋。本体だけでなく、ふたも鍋やフライパンとして使うことができるという便利さが人気で、耐久性も高く母から子へと受け継いで使われていることもあるそうです。
つくり手別に商品を探すこともできるオンラインショップもとても便利なのですが、お店に伺って、知らなかった「よいもの」がこんなにあるんだなと驚きました。
「日本にも、こんな素晴らしいものがたくさんあるって知ってほしくて」と木下さん。
探していたものはこれだった!というような道具に出会えるお店です。
cotogoto
東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
03-3318-0313
営業時間:11:00-20:00/無休
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