珈琲の香りで迎える朝
1R(37.4㎡)
空前のサンドイッチブーム。本格フレンチスタイル、野菜や肉がてんこ盛りなど、ニュースタイルが続々登場しているが、自分だけのお気に入りは、身近な場所で見つけたい。そこで、全国の街で人気のサンドイッチを大募集!まずは、編集部オススメの店を順次、紹介していきます。
(text : Ako Tsuchihara)
Vol.2 POTASTA 千駄ヶ谷(東京・渋谷区・千駄ヶ谷)
「まんまるサンドイッチ、ゲット!」と友人からメールが来たのは昨年の10月のこと。代々木上原のとあるレストランの前に、突如出現したワゴン販売だという。写真は、野菜がぎっしりと詰まったサンドイッチたちが山積みされている。色とりどり、まるでマルシェのようだ。いつも行列になっていて、毎日完売だという。
詳しく聞けば、レストランの常連客であったモデルの横地尚子さんが、その野菜料理にほれ込んで、野菜を味わえるサンドイッチを発案し、店先で売り出したんだそう。とても興味はあったのだが、並ぶのが苦手な私は、「買ってきてよ~」とだけ返信し、そのままにしていた。すると、2か月もしないうちに友人から「まんまるのサンドイッチ、テイクアウトの店オープン」と追加情報がきた。よもや、並ばなくても買えるかも、と思い立ち、いそいそと代々木上原へ向かったのである。
代々木上原は、住みたい街ランキングでも上位に位置する街。特に大人の女性に人気な理由は、ビオ・レストランやオーガニックのショップ、イタリアンやピッツアの名店など、意識の高い店が点在するからだ。「POTASTA 代々木上原」は、住宅街の一角にあり、見落としそうなほど小さな店だったが、サンドイッチは、期待通りのど迫力だった。1センチ弱の薄い全粒粉のパンに「これでもかっ!」というほどの野菜たち。挟むというより、パンを器にして盛ったという方が正しい表現だ。
種類は、ニンジンのマリネ、蒸したカボチャやサトイモ、きんぴらゴボウなど。野菜は無農薬、無化学肥料だと言う。私は、「ツナ&パンプキンシード」を注文してみた。両手の中にすっぽり入るので、そのまま顔を近づけてかぶりつく。グリーンリーフがぐるぐる巻きになっていて、玉ねぎ、きゅうりなどの野菜たちも層になっているので、シャッキシャキの食感。手づかみで野菜を丸ごと食べているような気分になる。
あれから、すっかり、ポタスタのサンドイッチにはまっていた。ちょっと家で真似してぐるぐる巻きしてみたりしたけど、不器用でうまくいかず。そんな頃、またしても友人からメール。「ポタスタ、千駄ヶ谷、イートイン」。ニューオープン情報である。
さっそく仕事帰りに行ってみると、アパレル系のオフィスが多い街にぴったりのスタイリッシュな店構え。広い空間の中央にカラフルなサンドイッチがたくさん箱詰めされている。ぐるりと回ってあれこれ迷うのも楽しいし、ガラス張りの奥のキッチンの様子を見ているのもワクワクする。まんまるのサンドイッチがくれる幸せなひとときであった。
DATA
POTASTA 千駄ヶ谷
東京都渋谷区千駄ヶ谷2-1-6 1F
営業時間 8:00~19:00 無休
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