「節約する」をやめて、「増やす」ことを意識したら、世界はもっと広がりました
軽やかに暮らす人を紹介していく連載。今回話を聞いたのは、日本に来て10年になる台湾出身のミホさん。日本と台湾を行き来するだけでなく、視野を広げるために年に1度は必ず、世界のどこかへ旅をしているのだそう。ミホさんのような軽やかな暮らし方を送る秘訣を聞いてみました。…
コロナ禍になりリモートワークが当たり前になったことで、今がチャンスとホテル暮らしを始めて1年半。賃貸をやめるという、勇気ある大きな決断をしたNさんにとって、得られたものは想像以上に大きなものでした。今では「ストレスがなくて不安になるほど」と話すNさんにもたらされた、変化や考え方などについて聞いてみました。
text : ASAKO SAKURAI
<Nさんプロフィール>
30代男性/会社員(ITコンサル)/フルリモート/ホテル暮らし歴は1年半/将来的には世界中を転々とし、働きながら暮らすを実現したい
ーさっそくですが、Nさんがホテル暮らしを始めたきっかけについて、教えてください
スーツケース一つで、好きな時に好きな場所で生きていく、というライフスタイルへの強い憧れがあったんです。
コロナが始まり、リモートワークが当たり前の世の中になったことで「始めるなら今だ!」と思い、スタートしました。
ー実際に体験してみて、いかがでしたか?
快適ですね。昔から通勤が苦手で。ホテル暮らしを始める前は、会社に徒歩で行ける範囲の場所に住んでいたくらいです。
今はフルリモートで働ける会社に勤めているので、ほぼホテルの中で完結する生活をしています。
ー食事などはほぼ外食ですか?
住み始めたホテルの立地によりますね。
例えば近くに安いスーパーがあれば、そこで惣菜を買って部屋で食べたり、スーパーがないエリアであれば外食が多くなったり。施設内にキッチンがあったら、自炊をするようにしています。
違う土地に移ることで周りの景色が変わることや、生活の組み立て方が変わることを楽しみながら暮らしています。
ーこれまでどのくらいのホテルを転々とされたんですか?
1年半のうちに7、8件の場所に移り住んできました。長ければ数ヶ月、短いところで1ヶ月単位で。
ーNさんのホテルに求める条件、優先順位はなんですか?
条件はやっぱり予算ですね。
一度価格帯を上げてしまうと、それが当たり前になってしまうのが怖くて(笑)。ご褒美にどこかいいところに泊まる、という暮らしはまだしたことがありません。
予算以外は、立地。同僚などと都内で飲むことが多いので、できるだけ東京都心を選ぶようにしています。
あとは自室で仕事をするので、広めのデスクがあるところがいいですね。
ーこれまで宿泊されてきたホテルのなかで、ベストワンを選ぶとしたらどこでしょう?
浅草にある「ベッセルイン浅草つくばエクスプレス」です。4ヶ月ほど暮らしていました。
ホテル自体がとても綺麗で、部屋は実際の平米数よりも広く感じられるつくりでした。デスクの広さも申し分なし。スタッフの方の対応が丁寧だったのも印象的です。
元々家事が苦手だったので、掃除や日用品の交換をしてくれるホテルに暮らすことで、さまざまなストレスから解放されました。
それに観光地のイメージが強い浅草で暮らしてみて、初めて、散策して楽しい街だと知ることができたんです。これも、住んだからこそ分かったことでしたね。
ーgoodroomが運営する「TOMOS」シリーズも、ご宿泊いただいていましたよね。ホテルと比較して、いかがでしたか。
TOMOSは保土ケ谷、学芸大学と、どちらも入居させてもらいました。保土ケ谷は立地が条件に合っていなかったこともあり退去してしまったのですが、施設は抜群に良かったです。
学芸大学の方はカフェが併設されているところがいいですね。仕事の息抜きや、休日にコーヒーを飲みながら読書をするときに利用させてもらっています。
最近はホテルの相場も高騰しているので、低予算でクオリティの高い場所に住むことができるのはありがたいですね。
TOMOSは予算の条件を抜きにしても、かなり気に入っています。ホテルとマンスリーの、どちらも行き来できるサービスが、サブスくらしの魅力なんでしょうね。
ーあえてホテル暮らしのデメリットをあげるとしたら、どんなことでしょうか?
やっぱり荷物を増やせないことでしょうね。
道具を使う趣味などは、縁遠くなってしまいます。例えば登山やキャンプなどのアウトドア、スノボやゴルフなどのスポーツ、釣りなど。
私はフットサルが趣味なので、最近は必要なものはレンタルするようにしています。
ーNさんにとって、ホテル暮らしの最大の魅力はどんなところだと思いますか?
圧倒的な、身軽さです。
とにかく自由度が高く、何事にもストレスがなく過ごせています。
ーどんなストレスから解放されたのでしょう?
すべてですね。あまりにストレスがなくて不安になるくらい(笑)。
住まいの自由を得ることは、想像以上に自分を変えてくれました。
ー賃貸暮らしをやめる勇気は、相当ハードルが高いですもんね。そのハードルを越えられた人だけが見える景色があるような気がします。
一つの場所に固定して住まなくていいんだ、という経験を身をもってしたことで、何事に対してもポジティブな気持ちで臨めるようになった気がします。
例えば仕事。最近ではもし今の仕事が嫌になったら、フルリモートができる別の仕事を探せばいいじゃん、と柔軟に捉えられるようになりました。
そう考えると、多少のストレスがふりかかってきても、自分は圧倒的に自由だ、という感覚がお守り代わりになって、多少のことでは動揺しないんですよね。
いやならやめればいいし、やりたいなら始めればいい。深刻に悩むことはほとんどなくなりました。
ー自由過ぎて困ることはありませんか?
自分から負荷をかけないと、本当にストレスがないので、それではいけないかなと思うことはあります。
だから今あえて自分に負荷をかけるために、新しいことを始めるようになりました。それって心に余裕があるからこそできること。
例えば仕事で英語を使うことも多いので、オンライン英会話のレッスンを受けたり、Netflixで映画鑑賞をするときは字幕なしで観たり。
20代のころは成長しなくちゃ、手に職をつけなきゃといろいろ躍起になっていましたが、30代になり、自分の人生の楽しみを最大化することに時間をつかいたいという価値観も生まれました。
どうやって、これからの人生を楽しもうか。そんなことを日々考えています。
ーそれは賃貸に住んでいたら生まれなかった考えかたなのでしょうか?
そうですね。賃貸に住んでいたらこんな風に考えることはなかったかもしれません。きっと考え方や生活の仕方は何も変わらず、何年も過ぎていったと思います。
意外と、いろんなものにがんじがらめになっていたのかもしれないですね。身軽な暮らしになったとたん、世界が開けたというか。
それほど、住まい方を変えるというのは大きな出来事だったのだと思います。
ー最後に、Nさんから見てホテル暮らしが合いそうな方、おすすめしたい方ってどんな方だと思いますか?
まずは独身の人。変化が好きな人。自由な生き方をしたい人、などですかね。
働きかたや生き方に窮屈さを覚えている方がいらっしゃったとしたら、一回やめて全てを開放してもいいんじゃない?と思います。
ーそうはいっても、賃貸をやめるハードルが高い……。と思っている方に、何かアドバイスはありますか?
多少お金はかかってしまいますが、今の住まいを契約しながら、1か月間だけ試してみるのはアリだと思います。
一番のハードルだと思われる「少ない荷物で暮らしていくこと」が、可能かどうかを試してみるのはどうでしょう。
自分に合うか合わないかを見極めてから始めても、遅くはないと思いますよ。
ー本日はありがとうございました!
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櫻井朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。センスがないのでおしゃれなインテリア、お部屋に興味津々。趣味は読書、刺繍、季節の手仕事など。詳しいプロフィールはこちら