賃貸における窮屈な縛りからの解放。ホテル暮らしがもたらしたのは、想像以上の自由だった
コロナ禍になりリモートワークが当たり前になったことで、今がチャンスとホテル暮らしを始めて1年半。賃貸をやめるという、勇気ある大きな決断をしたNさんにとって、得られたものは想像以上に大きなものでした。今では「ストレスがなくて不安になるほど」と話すNさんにもたらされた、変化や考え方などについて聞いてみました。 …
30代半ばを迎えるにあたり、自分の心の声に耳を澄ませたヒガさん。「本当にしたかったことはなんだろう」と自分と向き合った結果、サーフィンを暮らしの中心に据える覚悟を決めたそう。定住から転々とする暮らしへ。住まい方をガラリと変えたことでよかったことや、サーフィンがヒガさんにどんな影響を与えてくれたのかについて、聞いてみました。
text : ASAKO SAKURAI
<プロフィール>
生まれは沖縄、育ちは東京都練馬区/34歳/ITベンチャー(メドケア株式会社)の営業職/趣味はサーフィン/goodroomの「サブスくらし」や、Airbnb、マンスリーマンションなどを使い分けながら、半年ほど全国を転々としながら暮らしている
ーまず初めに、ヒガさんが全国を転々としながら暮らすようになったきっかけを教えてください
きっかけは超シンプルなことです。
「サーフィンをしながら暮らしていきたい」と思ったから。
30代半ばにさしかかろうとしたとき、自分の生活に対して、ちょっとモヤモヤしていたんです。体重がなかなか落ちづらくなってきたなあとか、周りの友人が結婚し始めたなあとか。
周りには「もういい大人なんだから、結婚をして、やりたいことはある程度我慢しないとね」と諭されたりして。友人の気持ちも分かるんです。でも僕にとって、結婚の優先度はあまり高くありませんでした。「だったらこの先、自分はどう生きていきたいんだろう」と、自問するようになったんです。
そんなとき今よりずっと若いころ「人生、一度はサーフィンをしながら暮らしてみたい!」と考えていたことを思い出しました。
体を動かすことだから健康的だし、サーフィンは50代以上になってもできるスポーツ。せっかくだったら、何にも縛られていない独身の今のうちに、日本中の波がいい場所を転々としながら暮らしてみたいと思い立ちました。
ーヒガさんはずっと実家暮らしや一人暮らしをしていたので、定住が当たり前だったんですよね。急に転々とする暮らしをすることに、不安はなかったですか
あまり抵抗はありませんでした。実は以前仕事の都合で、ホテル暮らしをしながら全国の営業先を回っていたことがあったんです。
だから「僕にもできるかもしれない」と情報収集を少しずつ始めたころ、goodroom journalでイワタさん(※goodroom社員で、ホテル暮らしをしているスタッフ)の、ホテル暮らしにまつわる連載を見つけました。
ちょうど目に入った記事で、ホテル暮らしの出費額を公開していたんです。思っていたより価格が安かったことが後押しになりましたね。
そうと決まればあとは速くて(笑)。えいや、とまずは海外用の大きなスーツケースを用意して、思い切って始めることにしました。
ー実際にサーフィンを中心にする暮らしを始めて、半年ほど経たれたとのことですが、生活していて大きく変わったことや、良かったと感じるシーンはどんなことがありますか
営業先で名前と顔をすぐに覚えてもらえるようになり、アイスブレイク中の話のネタにも困らなくなりました。
「ずいぶん日焼けしていますね」、「実はサーフィンをやっていて、しかも家を持たずに全国を転々としているんですよ」、「ええ!それはいいですね!なぜそんな生活を?」……といった具合に、会話が弾みます。
ーヒガさんのような明るい印象ですと、どんな土地でも、行く先々で可愛がられそうです(笑)
そうですね。先日まで住んでいた藤沢はよそ者に優しい街だったので、本当に良くしてもらいました。飲み屋では常連さんに交じって会話をしたり、海で声を掛け合ったり。サーフィンは自然が相手のスポーツだから、地元の方にいろいろ教えてもらうことが多いんです。
地元の方と仲良くなると、離れがたい気持ちになることもあります。先日も馴染みになった店の方々が、送別会を開いてくれました。べろべろになって、次の日にとても寂しい気持ちになってしまって……。
でも知らない街や素敵な人に出会うためにまだまだ行動したい。そのほうが人生面白いですから。「帰ってくる場所がまた増えた」と思うようにしています。
それから会いたくなったらまた会いに行けば良いかなと思っています。今の時代、自分の意志さえあれば、いつでもすぐに会いに行けますから。
ーこれまでサブスくらしを利用していて、印象に残っているホテルはありますか
正直なところ、私の宿探しが特殊なこともあり、まだあまりサブスくらしの施設を利用できていないんです。狙ったサーフスポット周辺に、サブスくらしさんの提携宿はまだまだ少なくて……。だから現在は、Airbnbやマンスリーマンションなどを併用しながら暮らしています。
さらに宿で働いていらっしゃった60代後半の男性と仲良くなって、一緒に食事に行ったりもしました。サーフィンという共通項があると、人との距離が近くなるところもいいですよね。
サブスくらしはサービスを利用していなくても、月額980円しかかからないので、安心して継続できるところも気に入っています。
まだまだ宿の数が少ないので、これから海沿いの施設も増やしてもらえるとうれしいです(笑)。
ーサーフィン中心の生活をしたいとはいえ、お仕事もありますよね。それぞれどんな時間配分で過ごしているんですか
基本的に朝起きたらサーフィンをして、5時間ほど仕事をして、また夕方にサーフィンをする。そして夜からまた3時間ほど仕事をして、地元のお店で外食して……の繰り返しですね。
土日だからといって完全に仕事のスイッチをオフにすることはなく、サーフィンをしながら仕事のことをぼんやり考えていることが多いです。オンオフを極端に切り替えてしまうと仕事始めが大変な気がするんです。なのでローギアかハイギアかで分けてますね。そうすることで、いいアイデアが生まれることも多いんですよ。
持論ですが、サーフィンで大事なことはいい道具を使うことでも、高い技術を持っていることでもないと思っているんです。大切なのは、「いい波の近くにいること」。
それは仕事も同じだと思っていて。人脈の多さやパソコンのスキルだとかそういうことではなく、「これが流行りそうだな」「この分野が今後伸びそうだな」という波を感じられるかどうかが、仕事を成功させる人の特徴のような気がするんです。
まだサーフィンは素人の僕ですが、日々サーフィンから、とても大切なことを教わっています。
ーコロナ禍が、今の暮らしを見つめ直すきっかけになった人はとても多いと思います。ヒガさんのような暮らし方に憧れる人も多いはず。そうした方に、何かアドバイスはありますか
もし会社員であるなら、僕のような働き方をさせてもらうために「信用ポイントを貯める」ことが大切なのではないでしょうか。
元々自由な働き方を推奨してくれる場合はいいですが、そうした会社ばかりではありません。私の場合、5年ほど今の会社に勤めていますが、「どこにいても仕事で成果を出してくれる人」という信用ポイントが貯まっていたこともあり、相談したらすぐに承諾してもらえました。
僕の性格や、営業職ならではのアドバンテージはあったかもしれませんので、参考になるか分かりませんが。「放っておいたほうがいい仕事をしそうだ」と思ってもらえるような行動を日ごろからすることは大切かな、と。
あまり前例のない暮らし方への融通をきかせてもらって、会社には本当に感謝しています。
ーすぐには難しくとも、先々を見越して自分の働きぶりを改善したり、根回しをしておくことは大切かもしれません
若い人であればあるほど、住まい方はもっと自由でいいと思うし、チャレンジしてほしい。こんなに働き方は自由になりつつあるのに、住まい方はまだまだ型にはまりすぎだと思うんですよね。
「一人暮らしはマンションでするもの」ということに窮屈さを感じる方がいれば、その固定概念は一回取っ払ってもいいはず。賃貸とホテル暮らし。どちらがいい悪いではなく、自分がどんな暮らしをしたいかから逆算して、暮らし方を選べる時代になったのは、本当にいいですよね。
僕自身は、こうした生活にシフトしてから人生が大きく変わりました。住まいを変える度にその土地の文化に触れ、多くの人や価値観に触れています。
そうした経験って、10年、20年先の人生に、必ず活きてくることだと思うんです。
だから私と同じように、サーフィンやスノボなど、都会ではできない趣味を存分に楽しみたい方は、ぜひチャレンジしてみてほしいですね。同じような暮らし方ができる人が増えたら、情報交換もできるようになって嬉しいです。
InstagramのDMなどをもらえたら相談にのりますので、いつでも連絡待ってます(笑)!
ヒガさんのInstagramはこちら
「goodroom サブスくらし」は、月額69,800円から、家具・家電つきのマンスリーマンション、そしてホテルに自由に住み替えが可能なサービスです。
家具や家電、WiFiなど、必要なものが揃っているので、引越しで用意するのは、スーツケースひとつだけ。敷金・礼金などの初期費用もありません。
goodroom が運営するマンスリーマンションにプラスして、全国47都道府県800施設以上のホテルが利用可能。
毎月自由に住む部屋を変えられて、リーズナブルに好きな街に住む。そんな賃貸より身軽な暮らし方を実践してみませんか?
櫻井朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。センスがないのでおしゃれなインテリア、お部屋に興味津々。趣味は読書、刺繍、季節の手仕事など。詳しいプロフィールはこちら