デザイン学入門
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毎日をごきげんに暮らしているあの人に、生活にプラスの影響を与えてくれたモノ、最近買ってよかったアイテムを教えてもらう連載。第22回目はミニマリストのioriさん。想いがこもったインテリア・雑貨を紹介していただきました。
text : ASAKO SAKURAI
今回アイテムを紹介してくださったのは、ioriさん。主にTwitterを中心に雑貨やインテリア、建築などにまつわる情報を発信しています。ioriさんが切り取る世界はいつも洗練された印象で、どの投稿を見てもうっとりとしてしまうばかり……。
そんなioriさんに、最近買ってよかったモノ、暮らしを豊かにしてくれたアイテムについて聞いてみました。
まず一つ目に紹介してくださったのは、JUNGHANS(ユンハンス)の掛け時計。こちらはバウハウス最後の巨匠Max Billのデザインのもの。「機能的で造形的にも美しく」と言う理念の元で作られたのだそう。
ニューヨーク近代美術館「MoMA」の永久収蔵品でもあります。
「現状知る限りで最も美しい掛け時計だと思っていて、一生の付き合いになると確信して購入しました」
「時計は生活感の出やすいアイテムですが、現代社会で生活する上で、なくてはならないもの。空間を損なわず、アート感覚で飾りながら正確に時刻を確認できるところが気に入っています」
続いてioriさんが紹介してくださったのは、何やら不思議な形をした石のオブジェ。これは茶庭などに置かれる「関守石」を、現代の作家が独自に再構築した「WRAPPED STONE」というコンテンポラリーなオブジェなのだそう。
作家が吟味して採取した石に、レザーやワックスコードなどで伝統的な結びを施しています。
「千駄ヶ谷にあるライフスタイルショップ『THINK OF THINGS』で購入しました。もとはお世話になっている知人のブランドなので気になったのがきっかけです。
伝統的な文化を再解釈し、現代的に昇華させている点に惹かました。自然物と人工物の組み合わせが美しいんです」
「自然物の美しさを自宅で味わうことができます。雰囲気のあるプロダクトで、置いているだけで空間の質が上がるんです」
最後に紹介してくださったのは、METTE DITMER(メッテ・ディトマー)のコンクリートトレー。
ベイクドカラーのコンクリートを用いたトレーで、ioriさんがお持ちになっているのは日本のブランドにはないカラースキームなのだとか。
玄関に設置し、外出時に必要なアイテム(キーケースとパスケースなど)の置き場を作りたいと考えていたときに出会ったのだそう。カラーとテクスチャーが好みだったことも背中を後押ししました。
「物の固定置き場を作ることで、外出時に慌てなくなります。その考えは玄関だけではなく、家全体で行っているわたしの習慣の一つです」
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ご自身のことを「ソフトミニマリスト」と表するioriさん。洗練されたアイテムの一つ一つには、ioriさんが本質的に素晴らしいと感じるポイントが必ずありました。
普段目にしたり、手にしたりするものとはまったく別の世界。その中を覗かせてもらうことで、少しだけ自分の世界が広がったような感覚を覚えました。