TOMOS リモートワークに徹する
1R(25.23㎡)
会食や外出が以前よりも減って、少し寂しい気もするけれど。その分できたお金は、自分が本当に心地よく過ごせる時間をつくるために使いたい。毎日をごきげんに暮らしているあの人に、生活にプラスの影響を与えてくれたモノ、最近買ってよかったアイテムを聞いてみました。第5回目はgoodroomオリジナルリノベ物件「TOMOS」で素敵な暮らしを送られている、詩乃さんです。
text : ASAKO SAKURAI
今回アイテムをご紹介してくださったのは、編集者・ディレクターの詩乃さん。
先日goodroom journalの人気連載「私らしく暮らす。賃貸インテリア」で、goodroomのオリジナルリノベーション「TOMOS」で暮らしていらっしゃる様子を取材させていただいたことがあります。
そんな詩乃さんに、最近買ってよかったモノ、豊かな生活をもたらしてくれたアイテムについて教えていただきました。
まず一つ目にご紹介いただいたのは、ふんわり、とろりとしたフォルムが印象的な、磁器ティーポッド。詩乃さんが好きでよく通っているという、二子玉川にある器屋さん「KOHORO」で購入したのだそう。
「おうち時間が長くなってきて、コーヒーやお水ばかり飲むことにも飽きてきたので、お茶をゆっくり淹れる時間をつくろうと思いました。まずはお気に入りのティーポットを探そうとお店を訪ねたときに、スエトシヒロさんの作品があまりにかわいらしく、即決したんです」
シュっとした注ぎ口は液だれがほとんどなく、ピタッと止まる感覚がやみつきになるほど、使い心地にも満足しているという、詩乃さん。
「一人分のお茶が淹れられる小さなポットなので、仕事の合間の休憩時間などに、一杯だけ温かいお茶を淹れる時間をつくるようになりました。部屋に置いたり、持っていたりするだけでもかわいいので、使用しているととてもテンションが上がるんですよね」
「こんな時間をつくりたい」という考えからイメージをしっかりつくって、最適なアイテムをチョイスする。詩乃さんが大切にモノを選び、生活に取り入れている考えが伺えます。
続いてご紹介してくださったのは、1914年創業と古い歴史を持つ滋賀県のろうそく専門店「大興」の和ろうそく。
パチパチ、ボオボオと普通のろうそくに比べて大きな音が鳴るので、その音を聞いているだけでもリラックス効果が抜群なのだそう。
でもライティングや香りを取りいれることが目的であれば、間接照明やアロマディフューザー、お香などさまざまな選択肢があります。その中で、なぜ和ろうそくを選んだのでしょう?
「好きな作家さんが、生活に和ろうそくを取り入れていると仰っていたことが購入のきっかけです。
ろうそくを購入できるお店が思いつかなかったので、日本各地の良いものを販売しているヒカリエの「D&DEPARTMENT」さんならあるかもと思い訪れたところ、見事に的中!
メーカーは詳しくなかったので、パッケージからピンときた大與さんのものを購入しました。シンプルな見た目のパッケージデザイン、すごくかわいいですよね」
「夜、寝る前に灯すようになったところ、すごくホッとする時間が生まれました。
夜が更ける頃に電気を消して、窓から風を取り入れて……としていると、静かな夜を過ごすことができて、なんだか贅沢な気持ちになるんです」
ゆらゆらと炎がゆらめく、静かなひととき。詩乃さんにとって和ろうそくは、1日の終わりにやすらぐ時間をつくりだす、相棒のような存在になっているようです。
3つ目にご紹介いただいたのは、HARIOのフィルターインコーヒーボトル。
ボトルの内側にあるフィルターに、挽いたコーヒー豆と水を入れて一晩置くだけで、水出しコーヒーができちゃう優れもの。
さらにシリコン製で簡単に着脱できるので、洗ったり乾かすなどの使い心地も良いのだそう。650mlと、一人暮らしで数日おいしく飲みきれるサイズ感が絶妙なんだとか。
「水出しコーヒーがすごく好きなので自宅でもつくりたいと思っていたところ、YouTubeでたまたまこのコーヒーボトルの存在を知ったんです。
水出しコーヒーはつくるまでの準備が難しい印象があったのですが、水と挽いた豆だけでおいしく作れるなら……と、試しにAmazonで購入しました」
夏場はとくに、お湯でコーヒーを淹れるのがおっくうになってしまうこともありますよね。そんなとき、水出しコーヒーで気持ちをリフレッシュ。豆を変えれば何度でも新鮮な気持ちでコーヒーを楽しめそう。
「夜に仕込むだけで翌日おいしいコーヒーができあがっているので、次の日の朝が待ち遠しくなりました。
同時に、いろいろなコーヒー豆を選ぶ楽しみも感じるようになったんです」
最後に詩乃さんが「これはぜひ、紹介したい!」と声をあげてくださったインテリア。カリモクの王道ソファ、Kチェア1シーターです。
日本人の体格にぴったりとフィットする、ミニマムなデザインが特徴的な椅子で「包み込まれるような抜群の座り心地が最高です」と話してくれました。
ところで、さまざまな一人掛けようのソファがあるなか、あえてカリモクを選ばれた理由って、何かあったんでしょうか。
「一人暮らしを始めたばかりのころから憧れていたソファでしたが、高価なものなのでなかなか勇気が出ずに悩んでいたんです。
そんななか、今年の春先に大きな仕事を終えたので、そのご褒美として自分のために奮発して購入しました。傷んだパーツのみの交換も可能なので、長きに渡って使える点もお気に入りですね」
「一人で座るのにとてもゆったりとしたサイズ感なので、ぼうっと座っているだけで落ちつくんです。
ソファで原稿を執筆したり、本や雑誌を読んだり。夜、電気を暗くして、ろうそくの炎を見つめたり……。そんな“無”になれる時間が、これまでよりいっそう好きになりました。ひとり時間がとっても充実したように感じます」
自分がどんなときも心地よくいられるように、憧れの椅子を迎え入れた詩乃さん。一生モノだと思えるものを生活に取り入れるって、素敵な暮らしだなと改めて感じます。
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お茶を淹れる時間、夜の静けさを感じる時間、一人ゆっくり無になる時間……。
誰しもが無意識に通り過ぎてしまうような日常のふとした時間をも、心地よくありたいと願い、実践している詩乃さんの暮らしかた。
日々の生活にちょっと飽きている方がいたら。身近にあるアイテムを、お気に入りのモノに変えることから始めてみてはいかがですか。詩乃さんの暮らしを彩るアイテム選びには、私たちの明日をちょっとだけ楽しくするためのヒントがちりばめられていました。