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1R(25.23㎡)
賃貸住宅の退去時にトラブルとなりやすい「原状回復費用」。国と東京都のガイドラインに基づいて、確認したいポイントをまとめました。
text : Miha Tamura from goodroom journal
賃貸のお部屋を退去する時必要になる、「原状回復費用」。
金額に関してトラブルが発生しやすいため、国土交通省と東京都住宅政策本部がそれぞれ「ガイドライン」を設けています。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」
この内容をもとに、原状回復費用を請求された際に特にチェックしたいポイントをまとめます。
もし内容に疑問を持ったら、不動産会社にこのページを見せて、確認をしてみてください。
それでも解決しない場合は、国民生活センターへ相談を。
ハウスクリーニング費用については、国土交通省のガイドラインでは「通常の清掃や退去時の清掃を怠った場合のみ」借主負担になる、とされています。
ただし同時にガイドラインの中で、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在する場合に「特約」を設けることも可能とされている点に注意。
そのため「ハウスクリーニング費用は借主負担」という特約が設けられていることがほとんどです(東京都の場合)。
ハウスクリーニング費用の相場は、1K・ワンルームの場合で25,000〜35,000円程度。
この費用は、敷金から引かれることになります。
金額があらかじめ特約で明記されていることも多いので、賃貸借契約書、重要事項説明書を確認してみてください。
契約書・重要事項説明書の見方はこちら:
部屋を借りるときの「賃貸借契約書」どこをチェックすればいい?
原状回復というと、「入居する前と全く同じ状態にしなければならない」と思っている方も多いかもしれませんが、実は違います。
国土交通省のガイドラインでは、「貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による消耗・毀損を復旧すること」とされており、「通常使用の範囲」となる画鋲の穴や色褪せなどについては、修繕費用を払う必要はありません。
例えば、「壁紙の張り替え費用」を請求された場合、それが「通常使用の範囲外」になるのかを確認しましょう。
ガイドラインで定められているのはこんな感じです。
貸主(大家さん)負担とすべきもの:
賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても、発生すると考えられるもの。
例:
・いわゆる電気ヤケ(冷蔵庫、テレビ裏側の黒ずみ)
・壁に貼ったポスターや絵画の跡
・エアコン設置による壁のビス穴、跡
・クロスの変色(通常の日照によるもの)
・画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えが不要なもの)
借主(わたしたち)負担とすべきもの:
賃借人の住まい方、使い方次第で発生したり、しなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの)
例:
・台所の油汚れ(掃除をあまりしなかった場合)
・結露放置によるカビ、シミ
・タバコのヤニ、匂い
・落書き等の故意による破損
・釘穴、ネジ穴(下地ボードの張替えが必要なもの)
ガイドラインでは、原状回復費用は自然消耗や経年劣化を考慮して計算するように、数値が明確に定められています。
再び「壁紙の張り替え費用」を例にとると、ガイドラインでは壁紙クロスの耐久年数は「6年」とされています。
入居時、新しく張り替えられていた壁紙に、うっかり傷をつけてしまった場合でも、入居から6年以上経っている場合には借主の費用負担は0%。入居から3年なら50%、というふうに計算します。
ただし、これはあくまで通常使用をしていた場合なので、故意に釘穴を開けた、落書きをした、タバコを吸っていた、などの場合には借主負担となることも、ガイドラインには書かれています。
経年劣化は、担当者が知らなかったり、計算されていないことも多いので、しっかり指摘するようにしましょう。
原状回復費用以外に退去時に確認するポイントは、こちらの記事も参考に。
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田村美葉
田村美葉
グッドルーム・ジャーナル編集部所属。エスカレーターマニアというちょっと変わった肩書きを持っていますが、インテリアやリノベーションが大好きです。グッドルーム・ジャーナルの取材を通じて、いつもたくさんのアイディアを教えてもらってます。役得。