『moving days』 と『Moving Days』– Good Room For The Weekend by Homecomings 福富優樹 –
フォーピースバンド Homecomings のメジャーデビューアルバム「Moving Days」は、その名の通り「引越し」がテーマ。goodroom とのコラボレーションで、メンバーの皆さんによる連載がスタートします。 第1回は、ギターの福富優樹さん。今回のアルバムタイトルの元にもなった、1冊の写真集との出会いを教えていただきました。…
フォーピースバンド Homecomings のメジャーデビューアルバム「Moving Days」は、その名の通り「引越し」がテーマ。goodroom とのコラボレーションで、メンバーの皆さんによる連載がスタートします。
第2回は、ボーカル・ギターの畳野彩加さん。ずっと手放さないでいる抱き枕の話を教えてくださいました。
text & photo : Homecomings 畳野彩加
私にはずっと手放せない抱き枕がある。小さい頃から使っていた抱き枕で、当時はベッドに普通の枕と抱き枕を2つ置いて寝ていた。大学生になって一人暮らしを始める時、使っていたベッドと一緒にこの抱き枕も京都の新居へ持って行った。
寝るのに適した特別な抱き枕という訳ではないけど、枕カバーは昔からお母さんのお手製だ。色褪せてボロボロになるまで使ってはまた新しいカバーを手作りしてもらっている。一番最初は買った時についてきたキティーちゃんの柄だった。次は確か、当時好きだったプーさんだった。その次はお母さんが選んだ花柄のカバー。独特の色で結構お気に入りだった。柄選びはなんとなくお母さんに任せていたので毎回どんなものができるのか楽しみだった。
今使っているのは無地でパステルカラーのオレンジとピンク。洗って使い回しができるようにと今回は2枚作ってくれた。色とか柄はそこまでこだわりはないけど一つだけ絶対に譲れないことがあって、冬になると冷たくなる生地じゃないとダメなこと。言葉で説明するのは難しいけど冷感生地とかそうゆうことでもなくて、とにかく寒い時期になるとひやっとする生地じゃないとなぜか眠れない。お母さんもそれをわかってくれているので、柄選びの時に毎回触って確認してくれているんだろうなと思う。お陰で肌触りはずっと同じだ。
でも、さすがに一度買い換えようかなと思って新しい枕を買ったこともあった。フカフカの新しい枕で生地はなるべくいつも作ってもらっているものに近いものを選んだ。何日かそれで寝てみたけど、いつの間にか抱き枕をそばに置いて寝てしまっていたので結局邪魔になって新品の枕は片付けてしまった。抱き枕はもう長年使っているのでぺちゃんこだけどそれが不思議と一番体にフィットしていて、これじゃないとゆっくり眠れなくなってしまっている。
大学生の頃から今まで4回くらい引っ越しをしてきて、その都度いろんな家具を買い替えたりしているけど、この枕だけは唯一ずっと大切に使ってきたものかもしれない。今の家に引っ越しする時は、何枚も袋に包んでこの枕だけ業者の人に頼まずに自分で運んだりもした。破れてしまった枕カバーも捨てられずに取ってあるので枕カバーコレクションがどんどん増えていくのも密かにすごく楽しみにしている。これから先、どんな街で暮らすことになってもこの抱き枕があれば毎晩安心して眠れるし、私にとってお守りみたいなものなのだ。
(Homecomings 畳野彩加)
goodroom journal で、Homecomings のメンバーの皆さんによる、コラム連載がスタート!それぞれの暮らしの中で大切にしていること、ずっと手放さないでいるものなど……暮らしへの想いをお聞きしていきます。(連載一覧へ)
Homecomings メジャーデビューアルバム『Moving Days』特設サイトはこちら
https://movingdays.ponycanyon.co.jp/
logo design by サヌキナオヤ