グレーのトーンで上品に
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自分が自分らしくいられるように、心地よく暮らせる街は自分で選ぼう。37回目にご紹介する街は、東京メトロ丸ノ内線の走る「方南町」。地元のお店が口を揃えて「暮らしやすい街」と呼ぶ、その秘密に迫りました。
text & photo : そやそや from goodroom 渋谷店
goodroomのスタッフが住んで本当に良かった街を紹介する連載。37回目にご紹介するのは、杉並区「方南町」です。
杉並区は、治安も良く住みやすい区として、一人暮らしの若い方からファミリーまで、根強く人気のあるエリアです。方南町は、荻窪や高円寺などに比べると知名度はあまりないですが、どんな街なのでしょう?さっそく散策してみましょう。
まずは気になるアクセス面を見てみましょう。
方南町は、東京メトロ丸ノ内線の走る街。丸ノ内線はちょっと特殊で、メインの線は荻窪ー池袋間なのですが、途中の中野坂上から分岐線として方南町方面にも列車が出ています。
方南町から新宿までは、最短で11分。東京や銀座方面にも30分前後でアクセス可能です。途中の中野坂上で1度乗り換えるか、あるいは、日中は約2〜3本に1本は直通列車となっているため、乗り換えなしでも行くことができます。始発駅なので、座って通勤できるのはうれしいですよね。
反対側の荻窪までは18分、東高円寺までは12分ほど。
実は、方南町から新宿方面への直通列車は、2019年7月にスタートしました。それまでは駅のホームが短いために、3両編成の中野坂上ー方南町間の列車のみが発着していたのです。そのため、新宿まで近いとはいえ、乗り換えがなかなかネック……という状況でした。
しかし、ホームの大規模な延伸工事を経て、無事に6両編成の列車も乗り入れることができるようになりました。ますますアクセス面が便利になり、注目度が高まっている街なんです。
方南町駅には、大きな環七通りに出る出口と、商店街側に出る出口があります。
駅前には薬局やファミレス、スーパー、コンビニが充実しています。
商店街にはお肉屋さんや八百屋さんがあり、ついつい寄りたくなってしまいます。牛丼屋さんやお弁当屋さんといった、チェーン店も充実しているので、さっと食事を取りたいときにも困りません。
次に向かうのは、駅を出て、環七沿いを少し南に下ったところ。美味しいパンを求めて、平日でも列ができるというパン屋「Gluttony」へ。
焼き上がりを狙うなら、午前11時頃に。12時をすぎる頃には、種類によっては売り切れが出てしまうとか。すごい人気ですね。
方南町に住んだなら、在宅ワークの日はここでパンを買って、ランチにするのもいいですね。通いつめて全種類制覇するも良し、お気に入りを見つけてリピートするも良し。並ぶ時間はそこそこ長いので、暑い日には日傘を忘れずに。
駅前が賑わっている方南町ですが、少し中に入れば静かな住宅街が広がっています。環七通り沿いが近いと、ちょっと騒音が気になるかもしれないな……という方は、中心から離れた、住宅街に建つ物件を狙いましょう。
また、方南町は自然がすぐそばにあるというのも特長です。善福寺川と神田川という2つの川に挟まれており、西の方まで足を伸ばせば、神社や公園もあります。自宅で作業に没頭したあとで、ちょっと気分を変えたいときに。週末、ほっと一息つきたいときに。自然が近くにあるのは、心強いです。
ちなみに、和田堀公園から5分ほど北へ歩くと、銭湯「ゆ家 和ごころ 吉の湯」が。ここはなんと、サウナブームの火付け役になったドラマ「サ道」のロケ地だとか。
南阿佐ヶ谷や永福町の方が近い位置にありますが、方南町からも行くことができます。どの駅からも20分ほどはかかるので、公園をお散歩がてらなど、時間に余裕のある日にぜひ訪れてみてください。
方南町で暮らすなら、どんなカフェへ通うことになるのでしょうか?今回の街歩きで、3つのカフェにお邪魔しました。
まずは、駅から西に8分ほど歩いたところにある「cafe TIVOLI」へ。デンマークのコペンハーゲンにある「チボリ公園」を訪れたことのある方はお気づきかもしれませんが、このカフェのモチーフになっているのがまさにコペンハーゲン。
オーナーの竹原さんに、お店に込められた想いを伺いました。
「コペンハーゲンは、都会的なビルのすぐそばに森や公園があり、首都でありながら、人々が自然とともに暮らす街です。その暮らしの根底には、『ヒュッゲ』を大切にするという考え方があります。少し前に話題になりましたが、ヒュッゲとは『リラックスして心が落ち着く場所や瞬間の概念』のことをいいます。cafe TIVOLIは、お客様にそういったヒュッゲな時間を過ごしてほしい、という思いでやっているんです」
さらに、方南町の良いところについても聞いてみました。
「神田川や和田堀公園といった自然が近くにあるところだと思います。公園に行けば、春は桜、夏は木陰……と、季節を感じながら過ごせます。のどかで暮らしやすいので、休日は都会的な喧騒から離れてゆっくり過ごすのが好きだなあという方に、おすすめの街ですね」
そういった意味で、「ヒュッゲ」を暮らしの中に取り入れるには、方南町はぴったりな場所なんですね。
次は、cafe TIVOLIの竹原さんに教えてもらい、「WESTWOOD」へ。商店街から北へ2分ほど歩きます。
19年間こちらでお店を営まれているマスターの大場さん。方南町のいいところは、どんなところでしょうか。
「やっぱり、まずは交通の便がいいところだね。新宿まですぐ出られる。あとは、杉並区というと高級なイメージがあるかもしれないけれど、方南町は庶民的で、生活に便利なのがいいね。スーパーもコンビニもたくさんあるし、ホームセンターもある。だけど、少し中に入れば閑静な住宅街で、このあたりも静かでしょ。本当に暮らしやすい街だと思うよ」
大場さんは、方南町にある他のカフェにもよく行ったり、逆に来てもらったりするのだとか。他に3つのカフェをおすすめしてもらいました。「方南カフェ」、「the SHEER CAFE」、「Lounge Sputnik #1」。
今回は、新しくできたという3つ目のカフェに行ってみることにします。
最後は、2020年8月上旬にできたばかりという「Lounge Sputnik #1」。商店街の焼肉屋さんの入ったビルを、2階に上がったところにあります。階段はちょっと急なので、気をつけて登ってくださいね。
どうして方南町にお店を出すことにしたか尋ねてみたところ、窓が大きくて、カウンターがあるこの物件が気に入ったからとのこと。
「実は、前にこの物件が空いた時も気になっていたんですけど、そのときは埋まってしまって。今回、また空いたので内見してここに決めました。古い物件で、窓の雰囲気が工場っぽいところも気に入っています。店内はDIYして、使いやすくしました。」
古い物件の良さを生かして使うこと。物件を気に入って住んだ街を好きになること。
どちらも、「goodroomを通じて、利便性や客観的なスペックだけではなく、その物件ならではの持ち味や暮らし方を提案したい。」と思っている私にとって、とてもなじみのある感覚でした。私自身も、今住んでいる物件は、街を知るより先に部屋自体を気に入って住み出したので、すごくしっくりくるなあと、話を聞きながら思わずうれしくなってしまいました。
「方南町は、直通列車が通るようになって人気も増えて、たくさん新しい住宅も建ってきています。今後、チェーン店やレストランだけではなくて、その中間のカジュアルな、ビストロのようなお店も増えていくんじゃないですかね。どんどん便利になっていくと思いますよ」
素敵なエピソードと、美味しいキッシュを、ごちそうさまでした。
街を歩いていろいろなお店を訪れる中で印象的だったことがあります。
それは、お店同士はお客さんを取り合う「ライバル」なのではなく、同じ地域でお店をやっている「仲間」として、協力しあっているということ。
カフェ同士でもお互いのお店に行き来しあい、さらに新しいお店ができたらすすんで行ってみる。今回のような取材の際にも、こっちのお店もいいですよと積極的に他のお店をすすめる。こういった温かい姿勢が、歴史のあるお店も新しいお店も共存する、住みやすい街方南町をつくっているのだなあと感じました。
「新しい始発駅」となって間もない方南町。便利だけど、自然がある。古い商店街も、新しいお店も活気がある。そんな「共存」できる街だからこそ、今後、新しい住宅やお店もどんどん増えて、ますます人気になりそうな予感です。
方南町が気になった方は、ぜひどんな物件があるか探してみてくださいね。
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播磨初弥子
播磨初弥子
北海道出身。蚤の市を回ったり、南池袋公園の芝生でのんびりすることが大好きです。