TOMOS アーチに導かれて
1R(32.4㎡)
町歩き愛好家が、本当に住みたい町をジワジワと紹介していく連載がスタート。第1回目に取り上げるのは川崎市中原区の元住吉。下町感と都会感が絶妙に混ざり合う、魅力たっぷりの町です。
text : 渡辺平日
こんにちは、日用品&町歩き愛好家の渡辺平日です。この連載では、個人的に好きな町や住みたい町を、商店街を中心にじっくりと這うように案内しています。
今回案内するのは川崎市中原区の元住吉。渋谷駅と元町・中華街駅を結ぶ東急東横線のほぼ中心に位置する町です。自由が丘や中目黒、代官山、武蔵小杉など、スター揃いの東横線のなかではやや地味な印象……。
また、都内に住吉という有名な街があるため、「元住吉が好きです」と言うと「あっ、住吉いいですよね。清澄白河も近いし」などと返されることもしばしば。でも、実はかなり住みやすい穴場スポットなんです。がんばれ、元住吉!
暮らしやすさを考えるとき、移動の便利さは無視できませんよね。今回紹介する元住吉はどうでしょうか。
東横線の真ん中にあるので、渋谷駅には約19分、横浜駅には約17分でアクセスできます。また、東急目黒線も乗り入れているので、目黒駅や武蔵小山駅への移動も楽々。さらに隣の武蔵小杉駅まで行けば、新宿駅や品川駅、川崎駅など主要都市に短時間で向かうことも可能。
こうして冷静に考えると、ちょっとビックリしてしまうくらい便利ですね。アクセス面だけを見ると完全に都会です。
そんな〈シティ〉としての側面も持つ元住吉ですが、基本的にはほのぼのとした〈カントリー〉なんです……と言っても言葉だけではよく分からないですよね。どんな町かを知るには商店街を歩くのが一番。ということで、商店街をぶらぶらと散策してみました。
元住吉にはブレーメン通りとオズ通りというふたつの商店街があり、どちらもかなり賑わっています。まずは西口側のブレーメン通りを見ていきましょう。
端っこまでおいしい、とても素敵な商店街でしたね。なんというか、町全体がイキイキとしています。それではくるっとターンして、オズ通りを散策してみましょう。
いやあ、オズ通りも素敵でしたね。なんというか、適当に歩いてるだけでもワクワクしてしまいます。さて、お腹が空いてきたので、そろそろご飯にしようかな。せっかくだから歩いているときに見つけたお店に行くことにしましょう。
ふらっと入ったカフェでも、ちょっと感動してしまうくらい美味しい。この町の底力を改めて実感しました。さてさて、(おそらく)元住吉の魅力が伝わったところで、おすすめのお部屋紹介コーナーに移ろうと思います。
取材をしているとき、ふと「元住吉って、音楽で例えたらジャズっぽいな」と感じました。それも、跳ねるようなスウィング感と、踊りたくなるようなグルーブ感で突き進んでいくような、そういうタイプのジャズです。今まで、町から音楽性を感じたことはなかったので、自分でもちょっと驚きました。
行くたびになんらかの発見がある、本当に興味深い町です。もっと元住吉に通ってその魅力を掘り下げていきたいです。
渡辺平日
渡辺平日
日用品愛好者。常に異常な物欲と戦っています。町歩きやお部屋探しも好きで、ふと気がついたらグッドルームの取材ライターになっていました。主な寄稿先は「LaLa Begin」「北欧、暮らしの道具店」「PERFECT DAY」など。