デザイン学入門
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住まいやオフィス、畑、自転車、自動車など、生活に必要なさまざまなものを共有する、「シェアのある暮らし」が広がっています。
今回おじゃましたのは、調布に誕生した新しいシェアハウス、「シェアプレイス調布多摩川」。約1万平方メートルという広大な敷地に、大きなシェアキッチンや庭を備えるちょっと大人な空間です。住み心地や、シェアならではのおもしろさを、先輩入居者さんにお聞きしました。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai / 提供 : 株式会社リビタ
約1万平方メートルという広大な敷地に建つ、元社宅の建物をリノベーションし、誕生したシェアプレイス調布多摩川。敷地の半分は全96戸の大学国際交流寮、もう半分に今年9月、全85戸のシェアハウスがオープンしました。
じつは、シェアハウスに足を踏み入れるのは初めてだったのですが、予想以上に豊かで、開かれた空間に驚きます。
ITエンジニアとしてフリーランスで働いている中田さん。大学時代の一人暮らし、上京後のルームシェアを経て、シェアハウスでの暮らしを始めました。
「ルームシェアをしていたので、自分の家具や家電を持っていなくて。いまさら買うのも気が進みませんでした。家賃も安いし、敷金や礼金もないところが多いので、シェアハウスにしてみようかな、と思って」
男女5人と猫が2匹の一軒家、男性エンジニアだらけの一棟ビルと経験し、今回のシェアプレイス調布多摩川は3軒目。今回は、かなり大規模なシェアハウスですが、決め手はあったんでしょうか。
「庭があるのが気になって。陽当たりもいいし、自然が多くて新鮮です。都心に住んでると車の音がずっとしているけど、ここでは鳥の声がして。新宿まで30分ぐらいで出られるのに、鳥の声で目がさめるっていうのは、わりといいのかな、と思います」
「水回りなど共用部の掃除をしてくれるのも、決め手になりましたね。前のシェアハウスは、気づいた人がやるルールで、結局やらないパターンになる。
ほかに、部屋の中にトイレとかキッチンがあるところもあったけど、その場合は自分で掃除しなきゃいけない。共用のほうがいいな、と思って」
シェアハウスの一番のメリットは「人」と中田さん。
恋人とか家族じゃない、近くはない距離の人がいるのはシェアハウスならでは。
前に住んでいたシェアハウスでは、住人全員とウマが合い、1週間ぶっつづけでボードゲームに興じるなんてこともあったそう。ご自身も、わりとそういった企画を立てる側だったとのこと。
「約束をとりつけて、全員必ず参加して、というふうにはしたくなくて。やりたければ勝手にやる感じにしたいんですよね」
シェアハウスなら、リビングに行けば誰かいる。なんとなく、その場の話のノリで急に予定が決まったりする。それが気楽で、楽しいのだといいます。
「ふつうに友達と遊びに行く時も、何日の何時に会う、とかは面倒臭くて。約束しちゃうと絶対行かなきゃいけなくなるし(笑)。シェアハウスなら、暇だったら一緒に行くか、みたいな感じで面倒臭くなく誰かいるというか。
ここみたいに個室があるところなら、交流したかったらリビングに行けばいいし、一人になりたかったら一人になれるので、ちょうどいいのかなと思います」
何歳で就職し、ひとり暮らしをして、何歳で結婚して……と、きっちり「こうあるべき」と人生設計を立てて住む場所を選ぶのではなく、ちょっとした準備期間、人生の中のちょっと空いている時間にシェアハウスを選ぶ人が多くいます。
中田さん自身も、ここに何年住もう、などの明確な予定は特に決めていません。
「海外移住したいという気持ちもあるので、2年契約のマンションは嫌だったんです。結婚とか転勤を考えていて、とりあえず住んでみる、という人もいますね。良くも悪くも、引越ししやすい環境ではあるので、どうしても合わなかったら出ていける。ここに絶対、何年住む、と決めてしまうと、合わなかった時つらいかもしれない。”とりあえず、やってみよう” っていうマインドの人が、シェアハウスには合ってるんじゃないかな」
シェアプレイス調布多摩川を選んだのも、オープンしたてで、まだここがどんな場所になっていくかわからない、楽しみがあるからだといいます。
「こうなったらいいな、が見えてないからこそ、引越したというのがあります。どうなるかわかんないからこそ、おもしろい。今まで絡みのなかった人と交流できることで、自分の幅も広がる。変化を楽しみたいです」
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