カスタマイズもできる!オーシャンビューの大胆リノベ団地を訪問 [PR]
団地のリノベーションが話題に上ることが多くなってきました。民間のみならず公的な賃貸団地においてもリノベーションを売りにしたプロジェクトが多く行われています。そんな中、“え?こんなのOKなの?!”と驚くくらい大胆なリノベーションを大阪市住まい公社が実施しているといいます。そのフラグシップモデルともいえるコーシャハイツ港を取材してきました。 …
DIYリノベが人気である。しかし賃貸住宅では 退去時に入居時と同じように戻さないといけない=原状回復義務が一般的であるため手をつけられることは限られてしまいがち。そんな中、大阪府の団地の雄、大阪府住宅供給公社(以後、公社)が原状回復義務なしの賃貸住宅の制度『団地カスタマイズ』をスタートさせた。これは賃貸住宅住まいのDIY大好き民には朗報ではないか。どこまでカスタマイズできるのか?申し込みの仕方は?など話を訊きに行ってきた。
text : 吉永健一 / 提供 : 大阪府住宅供給公社
本題の前に公社の団地の特徴をお話しておきましょう。入居者のターゲットは中堅所得者層。公営住宅と異なり、基準以上の所得があることが入居条件。その分建物の質やお得な制度が担保されています。入居時には礼金、仲介手数料が不要ですし、契約更新料も必要ないので家賃以外にかかる費用を民間の賃貸住宅と比べて抑えることができます。水漏れなどのトラブルには緊急連絡センターが24時間365日対応してくれるサービスも有り。良質な住環境にリーズナブルな家賃で住むことができる。これが公社の団地のメリットなのです。
公社の団地に住むPoint!
1. 礼金、仲介手数料、契約更新料が不要!
2. 水漏れなどのトラブル時に緊急連絡センターが24時間365日対応
3. 良質な住環境にリーズナブルな家賃で住める
公社が団地を建て始めてすでに半世紀。住まい手が求める“良質な住環境”はその間に変化してきています。自分の家は自分好みに改装しながら住んでみたいという新たなニーズに応えるため企画されたのが『団地カスタマイズ』です。
「長く住んでいれば自分が住みやすいように改装したくなるものです。今までも好みの色に塗っている住民さんはいますが退去時には入居者負担で元の色に塗りなおしてもらっていました。しかし団地カスタマイズを利用すればその必要がありません。自分好みにカスタマイズしたインテリアが楽しめます」
時代に合わせて内装の雰囲気を変えたり、傷んだところを繕ったりなど民間の賃貸住宅では難しいことを実現できるのが団地カスタマイズ。部屋への愛着がより増すのではないだろうか。
では、どこまで変えられるものなのだろうか。
「仕上げを変えることができます。壁天井の塗装の変更、壁紙の変更。床のクッションフロアの張り替え。キッチンの扉に化粧シートを貼ることも可能です」
床壁天井全てが対象となれば前回紹介した毛塚千代さんの部屋のようにインテリアの雰囲気をガラッと変えることができるだろう。キッチンや収納の取っ手やスイッチコンセントプレートを取り換えることができるのも細部にこだわる人にとってはうれしい。以前から要望が多かった棚や手摺もつけることができるようになった。
団地カスタマイズを利用する場合も家賃や設備は他の住戸と変わらない。改装費用と改装中の家賃は入居者持ちだが、退去時に現状復旧する必要はない。また、入居時は団地カスタマイズを選択しなくてもしばらく住んだ後、壁を塗りたくなった、棚をつけたくなったときも手続きさえすれば可能となる。
DIYに興味はあるがやったことない、やり方がわからないという人も多いと思う。そんな初心者向けのワークショップも公社は企画している。
「必要な道具、施工の手順やうまく仕上げるコツを学べるワークショップを行っています。今のところは三ヶ月に1回のペース。実際の団地の部屋で壁紙や襖張り、棚板のつけ方、塗装の塗り方を学んでもらいます。」
講師にはプロの職人だけでなく公社職員も参加している。
「お客さんに教えるために実際やってみたら意外と簡単。こんなにきれいになるの!とびっくり。私でもできるのだからと初心者にも自信を持ってすすめられる(笑) 」
ワークショップに参加するのは団地内の人半分、団地外の人半分。団地内の人には襖の張り替えワークショップが好評でこれをきっかけに他のDIYもしようという人もいるのだとか。
団地カスタマイズの対象団地は47団地、一万二千戸。大阪府全体に散らばっているが特に多いのは泉北、北河内、北摂エリア。昭和40年代に建てられた階段室型の団地で主な間取りは3DKと3K。建て替え予定の団地は対象に入っていない。公社職員におすすめの団地を挙げてもらった。
「全部おすすめなんですけどね(笑)。たとえば泉北ニュータウンの茶山台団地。図書館を中心としたコミュニティ活動が盛んです。千里山田西団地は最寄り駅から遠いですけど団地周辺は施設が揃っているのでとても便利です。喜連団地は地下鉄の喜連瓜破駅が近いので都心へのアクセスが便利なうえ給水塔が特徴的。給水塔といえば星田団地、打上団地がかっこいいので給水塔マニアにはおすすめです。 香里三井C団地は壁を塗りなおし耐震補強を入れたばかり。住戸内もリノベーションしている。茨木郡山団地は1LDKプランがおすすめです」
お気に入りの団地が見つかった!住みたい!でも決める前にお部屋を見ておきたいという場合、入居までどのように手続きをすればよいのだろう。
「ご見学の予約は、電話もしくはホームページで受付しています。入居のお申し込みは、ホームページもしくは北浜本社窓口で受付けており、引越し可能日は申込から約1ヶ月後の公社指定日になります。
団地カスタマイズを希望する場合は、DIYにとりかかる前に事前の届出が必要です。一週間ほどの審査でOKがでればDIYへの着手が可能となります」
参考)公社ホームページ|お申し込みから入居までの流れ
http://www.osaka-kousha.or.jp/oph-search/request/index.html
ホームページでは24時間365日申込受付しているので忙しい方や腰を落ち着けてじっくり選びたい人にはおすすめだ。
「今後カスタマイズされた部屋の実例を楽しみにしています。こんなこともできるのか!とびっくりする事例が出てきて欲しいですね」と職員の方は言う。
今後の展開としてはホームセンターとの提携、作業スペースを団地内に設けるなど色々アイディアを出し合っているとのこと。DIYの状態が良ければそのまま次のひとに貸すということもあればステキだなと思う。
「DIYで手を掛けたエピソードが部屋への愛着を生む。自分でインテリアを変えられることが付加価値となって団地を魅力的にしていくと思います。ぜひみなさんにDIYをやってみて欲しい。ワークショップに参加して誰にでもできることを知って欲しい。お子さんが汚しても自分で直せる(笑)手を加えながら楽しく住んでいただければ」
DIYとは工事の話なのではなく暮らし方のお話なのだ。住みながらそのときそのときの自分の好みや暮らし方に合わせてインテリアを変えていける。そんな自由で快適な住まいが賃貸で手に入る。それが『団地カスタマイズ』。大阪府内で住まいを探している人は選択肢の一つにぜひ加えてほしい。
お問合せはgoodroomサイトへ
https://www.goodrooms.jp/osaka/search/word_list?q=大阪府住宅供給公社
吉永健一
吉永健一
団地に取り憑かれた建築家。
団地のリノベーション設計とともに団地専門の不動産屋「団地不動産」としてUR賃貸住宅のあっせん、分譲団地の仲介を行う。全国団地愛好家集団「プロジェクトD」メンバーとして団地の魅力を世に伝えるイベント企画出演、記事執筆もこなす。