「ものと暮らす。」vol.10
部屋には日常生活を豊かにしてくれて、目にするだけで心踊るような雑貨、日用品を置きたいもの。この連載では CLASKA Gallery & Shop "DO" の和田さんが、洋の東西を問わず今の暮らしに合うお気に入りを紹介。きっと、そばに置いておきたい「もの」が見つかるはずです。…
部屋には日常生活を豊かにしてくれて、目にするだけで心踊るような雑貨、日用品を置きたいもの。この連載では CLASKA Gallery & Shop "DO" の和田さんが、洋の東西を問わず今の暮らしに合うお気に入りを紹介。きっと、そばに置いておきたい「もの」が見つかるはずです。
店のディスプレイ用の草花を買いに花屋へ出かけることが多い。
自宅はもちろんのこと、やはり店内にも生き生きとした有機物がないとどこかさみしい感じがしてしまい落ち着かないのだ。
毎回これと決めて買いにいくのではなく、その場で全体のフォルムやバランスをみて店へ持ち帰るのだが、包装紙からみずみずしい草花を取り出して店頭に飾る瞬間が何よりの楽しみだ。
その楽しさを知ったのは、渋谷と代々木八幡の中間に位置する生花店「trèfle(トレフル)」へ通っていた頃である。
木之下渉さんがセレクトした草花に満たされた店内は、思わず雑多なイメージの強い渋谷の宇田川町にいることを忘れてしまうような、心地良い余白がある洗練された空間で、案の定、すぐに魅了されてしまった。
数年前のある日、店の片隅にドライフラワー入りのボトルがひっそりと並べられていた。
プロダクトとしてありそうでなかったドライフラワーのボトル。
すっきりとしたデザインなので、半永久的に部屋のテイストを選ばず観賞できる点も気に入っている。
木之下さんはミュージシャンとしての顔も持っていて、花以外のことも含め、沢山の刺激をいただいた。
このボトルを目にするたび、渋谷パルコがあった公園通りやトレフル付近の風景を思い出しては、今でも少し背筋がピンと伸びるのである。
和田基樹 (わだ もとき)
和田基樹 (わだ もとき)
CLASKA Gallery & Shop ”DO” 仙台店 店長。1982年神奈川生まれ。2012年、予備校の職員から心機一転、雑貨業界へ。都内数店舗を経て、現在に至る。大の酒好き。
http://do.claska.com