植物好きに人気の専門店『鶴仙園(池袋西武店)』で聞く、 サボテン&多肉植物との上手な付き合い方
植物をうまく暮らしに取り入れ、楽しむヒントを探しに、街で人気のボタニカルショップをたずねます。 今回おじゃましたのは、駒込に本店のあるサボテンと多肉植物専門店の鶴仙園。西武池袋本店屋上の店舗は、アクセスと品揃えの良さから、植物好きが誰しもお気に入りショップにあげるほど。店長の靍岡さんにサボテン&多肉植物の魅力をお聞きしました。 …
本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。
(text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)
ドアを開け、目に飛び込んできたコタツに、まずはびっくり。豊富なカフェメニューに、棚に並んだクラフトビール。テーブルでは、若い人たちがコーヒー片手になにやら熱心に話し込んでいる。ここって本当に本屋さんなんだろうか。
美味しいコーヒーを頂いて、スタッフの山中菜摘さんにお話を聞くうちに、その想いはますます強くなった。ここ、天狼院書店は、2013年に誕生した本屋であり、本を中心に「夢を実現するため」のあらゆる手段を提供する場だった。
「オーナーが自分の理想の本屋を考えた時に、いつまでもいていい本屋にしようという考えがあって。コタツを置けば、その意思表示になるというアイディアなんですよ」と山中さん。
その天狼院書店オーナーとは、書店員であり、ライターでもあり、出版社の販売戦略に、編集にとオールマイティに活躍する三浦崇典さんだ。
ひとつひとつの本棚には、濃厚で、かつ新鮮なそれぞれのテーマがある。
メインのテーブルの上は、雑誌の紙面をイメージして作られ3ヶ月に1回ほどのスパンでテーマが入れ替わる「月刊天狼院書店」のコーナー。
「メゾンド天狼院」は、お客さんに選んでもらっている棚。2,500円以上購入するとカードがもらえ、それが本を並べるための”家賃”になる。自分の好きな本を選書して、ポップを書いて並べることができるという、ちょっと楽しい仕組み。
真っ黒なブックカバーが目を惹く「天狼院秘本」のコーナーには、ルールが3つ。
「1. タイトル秘密です。 2. 返品はできません。 3. 他の人には教えないでください」
お客さんは中身がまったくわからないまま購入する。そんな売り方って、ありなのか?と驚くが、これを目当てに来る人もいるほどの人気だ。現在販売されているのは7代目。しばらく期間が経ってから、タイトルを”ご開帳”する。
「秘本の1代目は、『蔦屋』という、蔦屋重三郎をモデルにした時代小説でした。オーナーがそれを読んで、”やばい”と思って。これから天狼院がやろうとしているビジネスモデルが書かれている。これは知られてはまずい。ただ、小説としてはとてもおもしろく、本屋としてはお客様に伝えたい。そこで中身を秘密にして300冊を販売したところ、一気になくなってしまったんです。それが続いてブランドになって。オーナーが、これを秘本にしたい、というぐらいおすすめの本が出たら登場してます」
東京天狼院で毎日開かれるイベントの数は、月40本にもおよぶ。たとえば日曜日なら、朝に恒例の読書会、そして時間整理に関するイベント、小説家養成ゼミ。最後は夜に、ライティングゼミといった具合。畳の小上がりスペースの高座にあがって落語を披露することもできる「落語部」や、店主の三浦さん自身もはまっているという「Photo部」など、自分自身が作り手となって楽しめるものが多い。
「天狼院書店が提供するのは、”READING LIFE”という新しいライフスタイル。本を読むために本屋さんに来る方は、本を読みたいというだけでなく、本を読んで得た知識を活かしていきたいという人が多いんじゃないかと。たとえばカメラの本を買う人は、カメラを使いこなしている自分を想像しています。じゃあ、本というものだけでなく、その先の体験や経験もサービスとして提供できるのではないかと。その可能性が3年間を通じてどんどん広がって、これだけ多くのイベントが生まれたんです」
天狼院書店のすごいところは、作品の発表の場もきちんと考えられ、用意されているところ。たとえば、福岡天狼院の一部を舞台にして行われる「劇団天狼院」の脚本を、小説家養成ゼミのお客さんが担当したり。天狼院書店のホームページの記事も、ライティングゼミに参加したお客さんが書いている。店主、スタッフの書いた記事も全て合わせて、どれが一番読まれたか対決する「メディアグランプリ」を開催。一番ポイントを獲得すると、プレゼントももらえる。
「ライティングゼミに通っていて、実際に本を出された方もいますよ。うちが書店なので、出版社さんとつながりが深いこともあって。出版社さんも、新しい作家さんを探すのは大変だけど、うちがおすすめすれば、『書店で売っていきます』という確証がありますし」
はじめは、「ただなんとなく来てみました」というだけだったが、体験して初めて目覚めていくこともよくあるという。
「楽しみながら夢を追いかける、というのが特徴かもしれないです」
みんなで楽しく競い合ううちに、夢を見つけられる。そしてそれを実現するための環境もある。ここでは、そんなすごく良い仕組みがぐるぐるとまわっているのだ。
『1坪の奇跡』稲垣篤子
始発で買いに行っても行列ができているという、吉祥寺にある羊羹ともなかの2種類だけを売る和菓子屋さん「小ざさ」。店主の稲垣篤子さんの自伝でもあり、その中からビジネスのヒントが得られる本書は、三浦さんが起業後資金不足に悩んでいた頃、「なければ頭を使えばいい」という言葉にひらめきを得て、天狼院書店オープンにこぎつけたという1冊。
東京天狼院
東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
平日 12:00〜22:00 土日祝日 10:00〜22:00
03-6914-3618
福岡天狼院
福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
平日 12:00〜22:00 土日祝日 10:00〜22:00
092-518-7435
京都天狼院(2017.1.27 OPEN)
京都府京都市東山区博多町112−5
平日 10:00〜22:00 土日祝日 9:00〜22:00
075-708-3930