single.php

清澄白河 本屋と建築をめぐるマップ

お気に入りの本屋を探そう column

シェア
清澄白河 本屋と建築をめぐるマップ

東京都現代美術館のある清澄白河は、Blue Bottle Coffeeの国内初出店で一躍注目を集めた。美術館に近いことからアート系の専門書が充実した古書店も多く、いまや「本とコーヒーの街」として知られるように。そして、建築好きとしては見逃せない、趣のある古い建物をリノベーションしたカフェやショップも多い。
本屋と建築をめぐって、清澄白河をぶらり散歩してみよう。
(text : Miha Tamura / illustration : / BENI)

清澄白河の駅を出てすぐ、清澄通りと清洲橋通りの交差点にある、BOOKSりんご屋清澄白河店を訪ねる。外観はいかにも「街の本屋さん」という雰囲気だが、運営元がディープな店舗が集うことで有名な秋葉原ラジオ会館ときいてやってきたのだ。新刊にまじってお店イチオシの古書も扱っている。そして、清澄白河の本屋といえば、東京都現代美術館が近いことからアート・デザイン系の本が充実しているのだ。気になっていた山口晃さんの大判の画集を発見し、初っ端からいきなり荷物を重くしてしまった。

そのまま清澄通りを南下すると、大通り沿いに前から気になっていた建物群が見えてきた。小さな店舗が肩を寄せ合うように並んでいるのだが、柱や屋根の意匠などところどろがやけにレトロで趣がある。調べると、こちらは「旧東京市営店舗向住宅」と言い、1928(昭和3)年、に関東大震災の復興事業として建てられたもの。戦前から残っている貴重なコンクリート建築だそうだ。昔ながらのお茶屋さんなどの店舗に混じって、新しいカフェや花屋さんなどもオープンしていた。募集中の物件もあり、こんなところでお店ができたらおもしろそう…なんてちょっと想像する。

column_01

そのまま、清澄庭園の前を通り抜けて西へ入っていく。庭園の横に、ステンドグラスなどが素敵な「深川図書館」と、近未来的なファサードがかっこいいババグーリが向かい合って建つ。ババグーリは天然素材、天然染料のみを使用した服と、手仕事による家具や雑貨が人気のブランド。その本店が清澄白河にあるのだ。ちょうど、知人への誕生日プレゼントを探していた私。ユニセックスな雑貨に、食品やCDまでを揃え、ここなら誰にも喜ばれそうなものが見つかる。

また清澄通りへと戻り、今度は東の小さな一軒家が並ぶエリアへ。Blue Bottle Coffeeは、意外にもそんな住宅街の真ん中に建っていた。大きな青いボトルが描かれた、倉庫のような大きな建物が目印。そして、そのすぐ近くにあるARiSE Coffee Roastersも、清澄白河のコーヒー屋さんを語るなら欠かせないお店。ちょうど交差点の角にある、青い屋根のかわいい建物は、地元の人たちでいつもわいわいと賑わっている。

column_03

コーヒーを飲んで一服したら、今度は話題の文化施設、fukadaso(深田荘)へと行ってみる。築50年のアパート兼倉庫だった建物を、当時の雰囲気を壊さずリノベーション。カフェや、理科の実験道具を販売する「リカシツ」に手芸のお店などが入り、建物自体の見学とともに楽しめるスポットになっている。この界隈、深田荘以外にも、小さな印刷工場など古い建物が点々と残り、建築好きにも楽しいエリアだ。清洲橋通り沿いのアパート、「清洲寮」もそんな中のひとつ。寮という名前だが、普通の賃貸アパートとして今も存在し、1階には自転車ショップ、カフェなど新しいお店も入っている。

さて、本屋さん巡りを続けよう。清澄通りから東京都現代美術館までまっすぐに続く深川資料館通り商店街には個性的な古本屋さんが点在する。しまぶっくはその中でも最もはやく清澄白河で誕生したといわれる本屋さん。中に入ってみると、まず一番最初にある棚がアートの棚だ。宗教、哲学など、大学時代に専攻した分野のディープな棚が続き、思わずじっくりと探索してしまう。smoke booksは、子ども向けの本が中心。といっても、ロシアやチェコなど東欧の原語の絵本など貴重で興味深いものも並び、思わずちょっとうなってしまう。EXLIBRISはアンティークの家具や洋書も扱う、ちょっとおしゃれな空間が魅力だった。

column_06

もう少し足を伸ばして、小名木川を渡り森下のほうへと北上していく。漫画家・田河水泡ゆかりの地として知られる高橋のらくろ~ドにあるのは、古書ほんの木。コミックや小説も多く、SFマガジンなどの雑誌も揃えている。「幻想文学」と書かれた看板の古書ドリスは、その名の通り、ちょっと地下っぽい、アバンギャルドな雰囲気になんだかはまってしまいそう。

じつは数年前まで門前仲町に住んでいた私。この界隈を訪れたのは久しぶりだったが、たくさんのカフェが新たにオープンしていてちょっと驚き。ちょっとレトロな建築、独自の視点の古書店に美術館にと、清澄白河は1日中楽しめる街だ。

>goodroomで清澄白河駅の賃貸を探す
>goodroomで半蔵門線の賃貸を探す
>goodroomで大江戸線の賃貸を探す
>goodroomで江東区の賃貸を探す

シェア
清澄白河 本屋と建築をめぐるマップ
この記事を気に入ったら
いいね!しよう
twitterで購読

関連記事

お気に入りの本屋を探そう Vol.10

ここから、夢を実現する。『 天狼院書店「東京天狼院」(池袋・東京)』

本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)…

お気に入りの本屋を探そう Vol.9

作家の本棚を覗く。 『双子のライオン堂(赤坂・東京)』

本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Ako Tsuchihara / photo : Kayoko Aoki)…

お気に入りの本屋を探そう Vol.8

海の向こうの作り手に思いを馳せて。『POST (恵比寿・東京)』

本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)…

spacegray
main_copy
sub_copy
goodroom