暮らしを豊かにしてくれる場所。『青と夜ノ空(吉祥寺・東京)』
本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)…
本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。
(text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)
個性的な本屋さんが集中する西荻窪駅の周辺でも、ひときわ気になる「旅の本屋」という看板。店頭の地球儀に誘われて足を踏み入れれば、左右に並んだ背の高い本棚からあふれる物量に、圧倒される。店長の川田正和さんに伺うと、20年前に吉祥寺で開店、西荻窪に移転してそろそろ10年を迎えるという老舗だそうだ。
「旅行が好きで、旅行に携わるなにかをしたい、という思いが元々あって。最初は編集の仕事に就いていたのですが、ニューヨークで『旅の本屋』というものを初めて知り、自分のやりたいこととすごくフィットするなと思いました。書店のチェーンに転職後、吉祥寺の『旅の本屋』で店長募集をしているのを見かけてそれに応募して。そのオーナーさんが店を閉めるタイミングで名前を引き継ぎ、西荻窪に移転をしてきました」
ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカ・カナダ。エリア別に並ぶたくさんの「旅の本」。普通の本屋さんで1冊見つかればいいほう、と思えるような場所でも専用の棚が設けられ、様々なタイトルの本が並ぶ。地球の歩き方や、るるぶ、まっぷるといった、定番のガイドブックというものはほとんどなく、いずれも、旅の達人、それも、一癖も二癖もありそうな「そのエリア、その道の達人」が書いたと思える本ばかりだ。まったく知らなかった場所、文化を伝えるタイトルに思わず手にとってしまう。
「欧米にはバカンスの文化があって、旅の本屋さんがあるんですが、日本ではライフスタイルに旅行が根付いているという感じではないので、品揃えの奥行きを広げる意味で、旅行、スポーツ、宗教など、いろんなジャンルで、旅行につながるような本も揃えています。旅行がすごく好きな人はもちろん、行ったことがない、行きたいんだけどチャンスがない、というような人たちにも、出入りしやすいような場所にしたくて」
川田さん自身が今までに訪れた国は40ヶ国ほど。忙しい今も、年に2回は行くようにしているという。
「旅行に行っていないと、最近のスタイルとか、どういうところが人気がある、とかがわからなくなっちゃって、説得力がないというか」
いまはダントツで台湾、ベトナム。日本から近いところで、治安が良くて、料理がおいしいところに人気が集まるそう。わたしも近々ソウルに行こうと思うというお話をしたら、川田さんもということで、おすすめのガイドブックを教えてもらったり、話がはずんでしまった。しかし、20代の人は海外旅行にあまり行かなくなっているらしい。費用対効果がはっきりしていないとお金を使いたがらないそうだ。なかなかシビアな時代。
「直接的なリターンはないかもしれないけど、それだけじゃない、というのを伝えたいですね。前はよく、どこどこに行きたいんだけど、と相談されておすすめを紹介することがあって、帰ってきて楽しかったという報告をもらいました。そういうときにやっぱり、お店をやっててよかったなと思います」
『深夜特急』沢木耕太郎 新潮文庫
バックパッカー、旅行好きの人のための入門書。川田さん自身が旅行に行くようになったきっかけの本でもあるという。旅好きの中で読み継がれていて、これを読んで旅行に行く人も多いそう。旅好きではない人も、これをきっかけにしてくれたらいい、と語った。
shop data
旅の本屋のまど
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
営業時間:12時~22時(日・祝日12時~21時) 水曜日定休
TEL&FAX 03-5310-2627
http://www.nomad-books.co.jp/
>goodroomで西荻窪駅の賃貸を探す
>goodroomで中央線の賃貸を探す
>goodroomで杉並区の賃貸を探す