読み継がれる本の架け橋に。『CLARIS BOOKS(下北沢・東京)』
本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Ako Tsuchihara / photo : Kayoko Aoki)…
本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。
(text : Ako Tsuchihara / photo : Kayoko Aoki)
所狭しといくつもの本棚が並び、重厚なテーブルや、チェストの抽出しの中に溢れんばかりの本、本、本。いわゆる書店というより、本好きな人の部屋にいるようだ。「どれどれ、どんな本を読んでいるの?」と手にとり、椅子に座る。お茶を飲む。ゆるゆるとした読書タイムが始まる……といった具合に、妙に落ち着く空間なのである。
今回お話を伺った店長の寺島さやかさんによれば、店内の家具はすべて、『KONTRAST』(東京・目黒区緑ヶ丘)の北欧ヴィンテージ家具で、購入可能。つまり、ここは、“本&家具のstock&show room”。思わず「こんな本の部屋に住みたい……」とつぶやいてしまう。
ここは、本屋には珍しく深夜24時まで営業している。しかもビールが飲める。そんなところがシモキタらしい。
昨今では、本屋がオリジナリティあるイベントをやっているのは珍しくないが、B&Bも同様、しかも毎晩行っている。テーマは様々だが、店の奥にあるテーブルを中心に、刊行記念や本にまつわるトークイベントや映画上映などを行う。一人でじっくり本を選ぶのもいいが、ゲストの話や仲間の情報を共有してから選ぶ本はいっそう印象深い。店内に流れるジャズ、ビールグラス、そして本。今夜もちょっと寄り道してみようかと思う粋な“book bar”のようでもあるのだ。
−本屋には世界の全部がある方がいい−
というのが、オーナーである内沼晋太郎さんの考え。つまり、世界各国の小説や様々な分野の本が置かれているということになるのだが、面白いことにB&B店内には、ジャンル表記が一切ない。
「これは、棚を見て新しい出会いをしてもらいたいという願いがあるからです。
表記があると、つい自分の興味のあるジャンルに直行してしまいますが、何が並んでいるかわからないようにしておくと、1つ1つの棚を眺めて、つい手にとってしまう。それは、その人の潜在的な興味だということです。そんな風に本を通して新しい世界と出会って欲しいというのもコンセプトなのです」(寺島さん)
B&Bは、取次から指定配本を入れない、いわゆる新刊を入れないセレクトブックショップであり、選書は寺島さんを始めとするスタッフのみなさんで行う。寺島さんは、以前、大手書店で働き、毎日のように本を並べてきた。
「売りたい本、売れる本、売れない本、いい本など、いろいろ見てきましたが、書店の人間は、届いた本をパッと見て、それがどんな本なのか、経験的に見当をつけられるようになっていきます。ですから、ここの選書は、出版社の案内を読むだけではなく、他の大小の書店を周って決めることが多いですね。また、お客さんに知らないジャンルに興味を持って欲しいので、専門的すぎない選書、ということを意識しています。本の並べ方置き方に関しても、全部、私たちが売りたい“いい”本なので、逆に工夫する必要はそんなに感じていません。本にまつわる雑貨なども一緒に自由に並べて、私たちも楽しんでいます」
『下北沢について』幻冬舎
上の写真、手前、小冊子『下北沢について』は、下北沢ゆかりの作家・吉本ばななさんに執筆してもらい、B&Bが発行(2013年8月から2015年11月まで10号)。デザイン、装丁のイラスト、校正も全て、下北沢で仕事する人たち(当時)で行った。その冊子を単行本化。2016年9月に幻冬舎から発売された。
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東京都世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
03-6450-8272
12:00〜24:00
http://bookandbeer.com
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