すべてが「ちょうどいい」。都立大学駅は、初めて都会に出てきた人におすすめしたい街です。
自分にとって本当に「住みやすい街」を見つけるには、実際に住んだことがある人に話を聞くのがいちばん。goodroomのスタッフが住んだことのあるおすすめの街について熱く語る連載が始まりました。第2回目は東急東横線「都立大学駅」です。 …
本屋さんに立ち寄って、棚に並べられたいろんな雑誌の表紙を眺め、手に取る至福の時間。大好きな雑誌を手にいれ本棚に並べるときには、特別な価値があるように思います。最近では、北九州市が発行し一部の地域やお店限定で配布する雑誌「雲のうえ」にファンクラブができるなど、出版社によらず自分たちで作る雑誌「zine」も人気。「zine」の発行・販売をしているお店に、その魅力をあらためてお聞きしてみました。
(text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)
都立大学から呑川緑道沿いに歩き、少し進んだ先に、古民家の1階を改装した小さなスペースがある。半分はギャラリースペース、もう半分は、東京でも珍しい、zine専門の本屋さんだ。半年に1回Webから公募し入れ替えを行うというzineが、約150種類並ぶ。
お話を聞かせてくださったのは、MOUNTの櫻井史樹(ふみき)さん。zineの魅力と、おすすめを聞いてみた。
櫻井さんが代表をつとめるMOUNTは、写真家やイラストレーター、デザイナーといったクリエイターに、リアルとweb、双方で、発表する場所、機会を提供している。アナログのzineもそのなかのひとつだという。
「出版社から本を出すのは、今の時代はなかなか厳しいし、制約もあるので。クリエイターなんだから、自分で好きなように作って、好きなように売ったらいいじゃないか、という発想がありました。
編集ソフトもすぐ手に入るし、印刷代も今はすごく安くなっているので、環境として整ってきたというのも大きくて、zineを作っている人は間違いなく増えていますね」
店内には、写真やイラスト、文章など、様々な形式で表現された小さな本が1冊ずつ、丁寧に陳列されている。手にとってみると、ぎゅっとその人の好きなモノがつまっていて、会ったことはない誰かから、手紙を受け取ったような気持ちになった。
「zineは、いっぱい売って儲けるのではない価値、本にして、他人に渡すことで、自分の興味関心をわかってもらう、”コミュニケーションツール”としての役割が大きいですね。
SNSやweb上だけだと、際限がなくて、たとえば写真でも、いっぱい撮ったけど、どうしよう?となる。そこで、1回振り返って、立ち止まって自分がやってきたことを整理する、1冊のものにまとめる作業というのは、重要なことだと思います」
MOUNTでは、zineを作るスクールを開催している。ふつうのサラリーマンや、一般の人も多く、デザイナー・クリエイター界隈だけではなく、もっと広くいろんな人が自分で作ってお店に出せるようにしたいという思いがあるそう。
「誰でも、興味のあることってひとつぐらいは持っているはず。zineはテーマが自由ですから。本を作るということ、表現を楽しんでほしいですね」
un-found-ation/Sayuri Nishiyama
カメラマンとデザイナーがコラボレートして作っている1冊。プチプチの貼られた表紙など、装丁もおもしろい。
2016年発行/crevasse
人、mata、人。/ toytoy
イラストレーター、toytoyさんの本。少し分厚い紙の質感と、あわいイラストがとてもうまくマッチしている。ぴったりの紙を選ぶのも、zineの楽しみのひとつ。
2016年10月30日発行/哲学的遊社
はんこな日々。秋/ひびのさなこ
はんこ作家、ひびのさなこさんの本。はんこで日常の一コマを日記のように表現している。「はんこはWebより紙のほうが質感が出るので、相性がとてもいいですね(櫻井さん談)」
2016年8月30日発行/ひびのさなこ
珈琲のはなし。/高橋マキ
京都の純喫茶を1軒ずつ丁寧に取材した本。濃密な情報量に込められた想いの深さを感じる。
2016年10月21日発行/高橋マキ
住所:東京都目黒区八雲2-5-10(東急東横線 都立大学駅 徒歩6分)
電話:03-5726-8290
open : 木・金・土・日(12〜19時)
close : 月・火・水
https://zine.mount.co.jp/
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