「間取り図から想像し、癒されていた」上京の部屋
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。 今回は、今年の4月に上京、建築系の書籍を扱う会社にお勤めの、楠田さんのお部屋を訪問。大山さん、趣味が近いせいで「もしかしてここ、ぼくの部屋だったかもしれない」なんて言っちゃってます。…
岡山発祥のインテリアショップ、 MOMO natural にお勤めの女性ひとり暮らしのお宅をご訪問。無垢フローリングの上に、木にこだわった家具が気持ちよさそうにおさまった、ナチュラルな空間が素敵でした。
部屋の助演俳優はだれだろうか? 主演はもちろんそこに住んでいる人だとして、部屋に置いてあるものたちのなかで、準主役といえる存在は何だろう。テーブル? ソファ? ベッド? いずれにせよ「家具」がその地位にあると思う。よく考えたら家具って不思議だ。今回の取材では、そんなことを思った。
これまで訪問してきたお宅はのはすべて首都圏だったが、今回は大阪である。初の出張だ。ご紹介できないのが残念だが、街の雰囲気もいい感じ。知らない街を散歩するのが大好きなぼくと一緒に出張した編集担当の田村さんはうきうきしていた。
レトロなマンションらしい鉄のドアにぶらさがったかわいらしい気球のオブジェがお出迎え。
ほらやっぱりすてきな部屋だ!
今回取材に応じてくださった与座(よざ)さん。ふんわりとした雰囲気のすてきな方。
部屋の「主演俳優」は与座さん。インテリアショップにお勤めと聞いて納得の、すごくすてきな空間。「家が好きで、学生のころからおうちに関わる仕事がしたいと思ってました」とのこと。いいなあ。
奥の部屋がベッドルーム。エジソンランプがキュート。お勤め先のショップ オリジナルのものだそうです。
沖縄出身で、岡山の学校に進学してからひとり暮らしスタート。勤め始めて関東に転勤で行き、戻ってきてこの部屋に住むようになったのは昨年2015年の12月。この部屋は通算4回目の引越しだそうだ。
1回しか引越したことのないぼくなどは感心してしまう。旅慣れた人の荷物が少ないように、引越し上手な人の部屋はシンプルだ。あ、いや、田村さんも引越好きだけど、シンプルって感じではなかったな。すてきな部屋だったけど。ものが多くても引越上手にはなれるし部屋もすてきになり得るのか。ぼくにとっての希望だな、田村さん。
トイレのドアにぶらさがったこのドライグリーン見て、田村さんは「真似しよう!」って言ってた。
向かって右、ベッド横のカーテンで仕切られた収納は元押し入れ。
第一印象は「物少ないなー!」だったけど、よく見るとけっこういろいろ置いてある。でもすっきり。ふしぎ。
などと思いながら、与座さんの部屋を見渡すと、実はひとり暮らしとしてはタンスや棚など家具の数がけっこう多いことに気づいた。でもぜんぜん狭く感じないし、すっきりしている。そしてそれらのすてきなシェルフたちを覗くと、ショップのディスプレイのようにものが並んでいる。物を入れるために家具がある、というよりはすてきな棚を存在させるために物が入れてあるかのようだ。かっこいい。こういうのあこがれる!
シェルフの中見せてもらいました。まるでショップのディスプレイのよう! すごい! 見習いたい!
で、思ったのだ。こういう収納家具は単純に大きいので部屋における「登場人物」として、雰囲気作りに重要な役割を演じる。しかし一方で、家電などと違って、それ自体のために存在するものではない。
どういうことかというと、テレビやパソコンなどの家電はそれ自体が機能するものだが、収納家具は機能を持った他のもののためにある。食器がなければ食器棚はいらないし、本がなければ本棚は必要ない。つまり収納家具は本来脇役のはず。でも与座さんの部屋では、むしろ彼らこそが主要登場人物だ。
ベッドルームと異なり、リビングの方の家具はみんな木肌色。めりはり。
「収納がけっこう大きかったので、棚にはあまりものが入ってないんですよね」と笑っていらっしゃったが、たぶんそうなるために部屋に置くべき物を選んで整理しているはずだ。これってほんとうにすごいな、と思った。
かわいらしいカゴがたくさんあったので、恒例の「同じ物を並べてもらって写真に撮る」はカゴでおねがいしました。
そうしたら「どこからこんなに!?」っていうぐらいたくさんのカゴが!
20個ほどのすてきなカゴたちが。それにしてもさっとディスプレイしちゃうのがさすが!
この部屋を選んだ決め手は間取りと無垢の木の床だったそうだ。「家具をどう置くかを考えて、間取りを検討しました」という言葉に「やっぱり家具が大事なんだ!」と思い、「家具を木の床に置いた時の感じがすごく心地よくて気に入ってます」というお話に深く頷いた。やっぱり、与座さんの部屋の助演俳優は収納家具だ。
いままでTOMOSシリーズの床を「裸足で歩いた感じがいい」と言った人はたくさんいたけど、家具の置き心地を語った人はいなかった。まるで家具が感じた足の感触を代弁しているかのようだ。
いつもの「ねっころがってポートレイト」。与座さん、ありがとうございました。
家具をパートナーにすてきに暮らす与座さん。これはもう「ひとり暮らし」ではないのではないか、とすら思った。「おうち好き」「インテリアのプロ」の凄みを感じた次第。少しでも見習いたい。毎回言ってるけど、ほんと見習いたい。
※与座さんがお勤めのインテリアショップ、「MOMO natural」ホームページはこちらから
http://www.momo-natural.co.jp/
写真と文:大山 顕
写真と文:大山 顕
“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
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