「間取り図から想像し、癒されていた」上京の部屋
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。 今回は、今年の4月に上京、建築系の書籍を扱う会社にお勤めの、楠田さんのお部屋を訪問。大山さん、趣味が近いせいで「もしかしてここ、ぼくの部屋だったかもしれない」なんて言っちゃってます。…
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、お部屋写真共有アプリ『RoomClip』を運営する、Tunnel株式会社のオフィスに訪問!じつは今回、オフィス仕様のTOMOSにご入居いただいたんです。RoomClip人気ユーザーさんが社員のなかにごろごろいらっしゃる同社。
居心地のよい家のようにアットホームで、でもオフィスらしさもしっかりある、考えられた空間におじゃましてきました。
(編集部)
そういえばどうしてオフィスは家みたいじゃないんだろう? 今までオフィスと家の部屋は違って当然だと思っていたが、今回 Tunnel株式会社さんのオフィスを見たら、それは当たり前のことじゃないんじゃないかと思った。要するにそこは家みたいだった。居心地良さそう。
そう、いつもはすてきな部屋を訪問するこの連載だが、今回はオフィスなのだ。ここは、われらが TOMOS リノベ物件だ。いいなー、このオフィス。もしまた勤め人になることがあるとしたらこういうところで働きたい。いやでもこんなにきれいだとやってけないかな。ぼくったらすぐ散らかしちゃうからな。
このすてきなオフィス Tunnel の社長さんである高重さんが「うちは別に出社しなくてもいいんです。家でも喫茶店でそれぞれ集中できる環境で仕事してもらえば」と言ったのを聞いて、ぼくは膝を打った。こういうこと言う会社ってときどきあるけど、これってオフィスが居心地悪かったら台無しの発言だ。行きたくなる事務所だからこその方針ではないか。ここに引っ越してきて1ヶ月半とのことだが、実際「このオフィスになってから、みんな出社してきますけどね」とのこと。そりゃそうだよなあ、と思う。さらに「ぼくなんか、気がつくと土日もずっといますもん」とも。ああ、そういう「弊害」もあるのかー。
かつて会社員だったころ、自分のオフィス含めたくさんの事務所を見たがどこも同じだった。この「どこも同じ」っていうのがオフィスの最大の特徴だと思う。家の部屋が人によってぜんぜん違うのに比べると、オフィスの同じっぷりは奇妙だ。おそらくこれは、産業革命以降の工場をモデルとして作業効率を追求した結果行き着いた同一性なのではないか。って、それっぽいことをてきとうに書きましたが。
しかし考えてみれば、いまや多くの事務所で行われている「作業」は家でやっていることとあまり変わらない。パソコンのせいだと思う。作業の内容が「家みたい」になったのだから空間も「家みたい」になっていいと思う。Google などのかっこいいオフィスが話題になってひさしいが、つまりあれはそういうことなのではないか。まあ、いわゆるIT系企業じゃないとあのようなオフィスを実現するのは難しいだろうけど。
あるいは、家と違ってオフィスでは大勢の人が過ごす。なので多数決でしつらえを決める。するとみんな同じになってしまう。ということかもしれない。特徴を出さず無難を積み重ねていく。そうするといわゆるオフィスができあがるのかも。だとしたら、この Tunnel のすてきオフィスはどうやってできあがったのだろうか。と思っていたところ、引っ越し後の空間づくりを「このふたりに任せました」と高重さんが紹介してくれたのが、中川さんと水上さん。ほらやっぱり! 多数決じゃこうはならないよ。ディレクターに一任しないと。
そして、このディレクターふたりが「くせ者」だったのだ!
実は Tunnel のオフィスがすてきなのは当然と言えば当然なのだ。なぜならこの会社は、インテリア好きの方々が部屋の写真を共有するソーシャルサービス『RoomClip』を運営しているのだから。「今回この新オフィスをデザインして、あらためて RoomClip のユーザーさんたちってすごいな、と思いました」と高重さん。そして社員でもあり RoomClip のヘビーユーザーでもあるのが中川さんと水上さんなのだ。つまりディレクターはご自宅がすてきということだ。
※編集部注:おふたりのRoomClipアカウントはこちら!
Katsuraさん
Atsushiさん
なんせ水上さんは、実は本連載第2回目のあのすてきな部屋の主なのだ! そりゃあオフィスもすてきになるってもんだよ。「ふたりが暮らしの中で蓄積してきた知恵のたまものですね」と高重さんはおっしゃり、中川さんは「ユーザーさんの写真を見て参考にしました」と言った。もうなんというかサービス運営会社の鑑だ。すばらしいです。
おふたりがこの新オフィスのデザインの方向性を決め、什器などを選び時には自らデザイン作業も行ったのだが、お話をうかがっておもしろいと思ったのは「お互いの個人の嗜好が相手によってセーブされたのがよかったです」という一言。そうか、多数決がオフィスデザインをダメにするとはいえ、ご自宅をすてきにしている方が自分の趣味全開で腕をふるっちゃうとそれもまた問題なのか。「やってみてわかりましたけど、やっぱり仕事をする空間と自宅の部屋は違うものですから」とは、当たり前とも思える内容だけど、ぼくはすごく重みを感じたよ。
さて、こんなすてきなオフィスだとさぞかしお金がかかっているのでは、と思うだろう。ぼくも思った。あにはからんや「一人あたり1万円ぐらいしかかかってません」とのこと。びっくり。
「業務用の什器じゃなくて家庭用の家具を使いました」と水上さん。「自分たちが提供しているサービスのことを考えると、ふつうの暮らしの環境で仕事をするというのも大事かな、と思って。結局それで安くあがりましたね」。「IKEA でも購入しました」とのこと。ほんとIKEA って革命起こしたな、とあらためて思う。
さあ、これでもう「そりゃあお金かけりゃいくらだってかっこよくなるよ」という負け惜しみ言い訳は通用しなくなった。世の中の事務所たち全てがすてきになるべきだ! 事務所の居心地を良くしたいとお考えの方がいらっしゃったら、 RoomClip を参考に。というか、いっそ中川さんと水上さんにお願いしたらいいんじゃないか。そうだよ、そういうサービスはじめたらいいのでは! と思った。とりあえずぼくは RoomClip にポストできるぐらい部屋をきれいにしたいです。なんせフリーの身、自宅が事務所でもありますし。
写真と文:大山 顕
“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
Twitter (@sohsai)/Facebook
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最後にもう一度、編集部から。
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、都内を中心に、毎月10~20部屋登場します。TOMOSに住んで、そしてぜひ大山さんに写真を撮ってもらいましょう。
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