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自分らしく、“家族の暮らし”をつくる。鞄デザイナーさんのポップなインテリア

TOMOS people Vol.9

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自分らしく、“家族の暮らし”をつくる。鞄デザイナーさんのポップなインテリア

写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、鞄デザイナーの柊さんファミリーのお部屋に訪問。ファッションデザインを学ばれたというご夫婦、ポップで気の利いたインテリアの中、おふたりの好きなものと、生まれたばかりの娘さんのグッズとが混ざり合った"家族の部屋"、とっても素敵でした。

text & photo : Ken OHYAMA

バッグ=部屋論

「バッグって正解がないっていうのがおもしろいですよね!」といきなり利いた風な口をきいてしまった。今回訪問したのは柊さんご夫婦のお部屋。ご覧の通りすごくすてき。そして旦那さんのお仕事がバッグのデザインと聞いてぼくが口走ったのがこの言葉だ。ど素人がなに分かったようなことを言っているんだ、といま書きながら赤面してしまうが、まあ聞いてほしい。今回「バッグと部屋って似てる」と思ったのだよ。

今回おじゃましたのは柊さんご夫婦のお部屋。ダイニングからリビングを見たところ。かっこいい!

今回おじゃましたのは柊さんご夫婦のお部屋。ダイニングからリビングを見たところ。かっこいい!

臆面もなく引き続き利いた風なことを書きますが、バッグって誰にとっても使いやすいという万能のデザインがない。「使い勝手を徹底的に追求した」とか「人間工学に基づいた」とか「有名デザイナーがデザインした」とかで評判がよいので使ってみたらいまいち、っていう経験があるだろう。

こういうことが起こるのは、バッグが単なる「道具」じゃなくてきわめて「衣服」に近いからだと思う。腕に掛けたり斜めにショルダー掛けしたり背負ったりと、考えてみればバッグってすごく身体と接する道具で、これはもう「着る」ものと言っていい。オールマイティなバッグというものがないのは、万人にとって正解のファッションというものがないのと同じだ。

この部屋のかっこよさの秘密の一つはこのカーテンに代表されるようなポップな色使いにあると思った。

この部屋のかっこよさの秘密の一つはこのカーテンに代表されるようなポップな色使いにあると思った。

で、そんな「第二の服」たるバッグのどこが部屋と似ているのか。まずひとつは部屋にもまた「万人にとっての正解がない」という点。もうひとつは単純にどちらも「物を入れておく容器」であるという点だ。牽強付会な言い方をすると、部屋にいるのと同じような居心地のよさを実現するためにぼくらはバッグに物を入れて運んでいるのではないか。

バッグは小さな部屋だ。そういえば間仕切りは間取りに似ている。あるいは部屋が自分をも運ぶバッグなのか。そういえば「旅上手は荷物が少ない」というが、同じように「暮らし上手は物が少ない」とも聞く。言われてみるとぼくの部屋は物で溢れていて、バッグの中身もぐちゃぐちゃでパンパンだ。ときどきものの置き場のために家賃を払い、バッグの中身が自分を運ばせているのではないかと思うことがある。

リビングをぐるりと見渡したところ。2方向に窓があって明るい。いい部屋だなー。

リビングをぐるりと見渡したところ。2方向に窓があって明るい。いい部屋だなー。

初めての赤ちゃんがいる部屋

さて、すっかり「バッグ=部屋論」ですっかりここまで紙幅をとってしまったが、なんといっても今回の取材の楽しみは赤ちゃんがいる部屋であることだった。冒頭の恒例「平面図写真」にも写っていて「おお!」と思った方も多いだろう。しかしご覧の通り、さすがバッグデザイナーというべきか、柊さんご夫婦の部屋はすっきりしていてすごくすてきだった。それは単に物が少ないという意味ではない。実際、寝室にはご自身がデザインしたバッグとともに、コレクションしているスニーカーが大量にあった。でもかっこよくすっきりしている。すばらしい!

寝室もちょうすてきだった。この壁にディスプレイされたスニーカーにおどろいた。

寝室もちょうすてきだった。この壁にディスプレイされたスニーカーにおどろいた。

「赤ちゃんがいるのにすっきり」という書き方は失礼だったかもしれない。ぼくがいいたいのは、小さい子供がいる部屋はふつう「すてき」なだけではいられない、ということだ。聞けば奥さまがお産とその後のご実家での滞在からこの部屋に来てまだ2か月弱。そもそも引っ越しして間もないという。引っ越ししてすぐでこのすっきりとした部屋ですか! とぼくなどはそのことにもびっくりしてしまうわけですが(ちなみにぼくは今の部屋に引っ越ししてきてすでに4年ですが、一度も開けていない段ボール箱があります)。ともあれ、今はまだお子さんと3人で暮らすようになってまだ間もないが、これからきっと部屋の様子がどんどん変わっていくのだろうな、と思った。

そして目を引いたのはいろんなところに飾られている絵やグッズ。この絵とか…

そして目を引いたのはいろんなところに飾られている絵やグッズ。この絵とか…

奥さまと旦那さまは同じ大学でファッションデザインを学んでいたとのこと。お子さんの名前は「采衣(ことえ)」ちゃんという。すてき。そういえばぼくの友人のとあるデザイナー夫婦もシンプルでかっこいい部屋に住んでいたが、子供を持つようになってあっというまに部屋中がアンパンマンで溢れた。これをぼくはデザイナーにおける「アンパンマン問題」と呼んでいる。

このすごくかわいいオブジェとか….。これらは奥さまのお仕事の関係である、障害のある方が作ったアート作品なのだ。

このすごくかわいいオブジェとか….。これらは奥さまのお仕事の関係である、障害のある方が作ったアート作品なのだ。

っていう話を奥さまにしてみたところ「そうなっちゃうんでしょうねー。でも選びたいですね、アンパンマンじゃない方法ないですかねえ」と笑っていた。奥さまは、障害のある方が作ったアート作品をデザインアレンジして商品にするというお仕事をされている。部屋に飾られているのはそういう絵やグッズだった。これがすごくかわいい! ということで、恒例の「並べて撮る」は旦那さんのデザインしたものと、奥さまがデザインしたかわいいバッグたちだ。

お二人がデザインしたバッグたち。

お二人がデザインしたバッグたち。

「運ばれる側」から「運ぶ側」に

采衣ちゃんを見ていて気がついたのは、彼らはいわば「バッグ」に入れられて運ばれるよなあ、ということ。赤ちゃんにとってはまさに「部屋=バッグ」だ。大人になるというのは「運ばれる側」から「運ぶ側」にまわるということなのかもしれない。思い返せば小さい頃の子供部屋と今の自分の部屋では、同じ「部屋」と呼ばれるものでも全然違うものに感じる。もちろん置いてあるものが違うというのはあるが、いちばん違うのは今は部屋を自分で「運営」しているという点だろう。子供部屋という「バッグ」に入れられて両親に運ばれていたのが、今は家賃を払って維持管理していかなくてはならない。

結婚して同じ部屋に住むというのは、ひとりでは持てないちょっと大きなバッグを、取っ手を片方ずつ持つということだ。そして子供が生まれればその中に入れて大事に運ぶ。いつかその子が自分でバッグを背負って運ぶようになるまで。柊さんご夫婦が、今後どういう風にこの「バッグ」をデザインしていくのか楽しみだ。

采衣ちゃんかわいかったー

采衣ちゃんかわいかったー

大山 顕

写真と文:大山 顕

“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
Twitter (@sohsai)Facebook

(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、東京・大阪・名古屋・福岡で、毎月10~20部屋登場します。社員も気に入って住んでいる者が多い、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。

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